図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

吉見町立図書館(埼玉県)

GWが始まりました。
来客があったので、埼玉の名所ということで吉見町を車で案内することにしました。
まずやって来たのは、吉見百穴。GWとは言え平日なので、さほど混んでいません。

古代人の墓の跡とされる多数の穴は、戦時中は軍需工場にもなったとか。
上からは秩父の山々や、富士山まで一望。のはずですが、この日は富士山までは見えず。

穴の中には、天然記念物のヒカリゴケも観察できました。

百穴のすぐ手前には、岩室観音なる寺があります。山門しか無い、廃寺のような佇まい。

急な階段は、とても昇って良い代物には見えませんが、昇って良いようです。

上の階には、明治期の額が。中の一つには馬の絵が多数描かれていて、これが本当の絵馬というやつでしょうか。

並んでいる地蔵にお参りすると、四国八十八ヶ所巡りと同等の御利益が得られるとか。そんなこと誰が決めたのか分かりませんが。

多くの観光客は素通りしますが、ここは思いがけない掘り出し物でした。

車を出し、吉見観音こと、安楽寺へ。
こちらは大きな本堂の建つ、現役の寺。

立派な三重の塔が聳えます。

ここも人は少なく、なかなかの穴場でした。

再び車を出し、八丁湖へ。
湖と言っても、その実は溜め池のようですが。

この少し先に百穴に似た、横穴墓群があるのですが、車で近くまでは行けず少々歩かないといけないようで、皆の疲労度合いを考えてこの日は断念。

最後に、自分の趣味を押し通し、町立図書館へ。

真新しい図書館の隣には、こちらも真新しい大きな体育館。
反対側には、海洋センターなる施設が。海から遠いこの地に海洋センター?何それ?と思ったら、ただのプールのようです。海水が使われているというわけでも無さそう。

図書館の愛称は、「ぶらっとよしみ」。中に入ります。

館内も、木の香漂う新築感。
床はもちろん、天井、棚にも木材を多用。
窓にもサンシェードなのか、木の板が縦に並んでいます。

入口脇にはCD、DVDの棚があります。
特にCDは、やはりここも品揃えは古く、ほぼ昭和。
とは言え新着コーナーもあり、そこにはVAUNDY、King Gnuなど最新のものも。しっかり更新はしているようです。

館内中央を、丸い柱が貫いています。
柱の周りは、特集コーナー。
ショートショート吉川英治文学賞受賞作などが置かれていました。
柱を囲むようにソファが、その外側は雑誌、新聞のラックになっています。

入口付近は二階があるので天井が低いですが、奥は吹き抜け。
その様子は、栃木県茂木町の図書館によく似ています。あいにく利用客が少なく、閑散とした雰囲気も含めて。
巨木を模して、上部が枝分かれしている柱が二本。やはりその周りは特集コーナーになっています。

一階は文芸書、運輸、建築、家政など。
文芸書の本棚には、夢枕獏の小さな色紙が潜んでいました。
旅行ガイドもありますが、特に海外向けはちょっと少なめ。
絵本コーナーもあり、その上は階段、中二階になっています。

創元推理文庫の棚があり、千冊以上の本が並んでいました。
他にも、「知的生き方文庫」「岩波新書」「ブルーバックス」「ハヤカワミステリー」などの棚があります。
しかしそれ以外の文庫、新書はかなり少なめ。

片隅には郷土資料展示コーナーもあり、門番のように兜が飾られています。
中には、出土した土器が展示され、町内の名所として吉見百穴安楽寺が大きなパネルで紹介されていました。

階段で中二階に上ります。
子供の本、海外の絵本などが置かれています。

続いて二階。
辞典辞書、歴史、社会、自然、芸術などの本があります。
コンピュータの本もありましたが、数は少なめ。

郷土資料も二階にありました。
「比企丘陵」「武蔵武士」「坂東観音いまむかし」など、この地ならではの本に、
三ヶ島葭子、大川平三郎など、県の偉人の本も。

広大な読書テラスもあります。かなり日差し強め。

二階の柱の周りには、吉見町出身&在住作家のコーナーが。
日本の電力王、福沢桃介の本が何冊かありました。ここ吉見の貧農の出身で、慶應に学んだ縁で諭吉の養子になったとのこと。
他にはルポライターの長洋弘、歌人小井川敏子などの本がありました。

一階を見下ろす閲覧席には、各席に消しゴムのカス入れがあったりして、気が利いています。

蔵書数は約10万冊。視聴覚資料は約4千点。
現在の施設は2年前に開館したばかりのようで、溢れる新築感にも納得です。

帰り道に、道の駅「いちごの里よしみ」があったので寄り道。

吉見町は、イチゴの産地。
なのですが、イチゴもイチゴ大福も全て売り切れでした。

吉見町立図書館ホームページ