図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

The Maldives National University Central Library(マーレ,モルディブ)

ラスドゥ島に到着しました。
ここも欧米人に人気の島ですが、マアフシ島よりは鄙びた感じで、落ち着いています。
海岸に立って振り返ると、反対側の海も見えてしまうという小ささ。

エクスカーションには参加しませんでしたが、ビーチからのシュノーケリングでも十分楽しめました。特に、大きな海亀が見られたのには感激。
ビーチでのんびりする人もマアフシより多め。

モルディブ最終日、スピードボートでマーレ空港へ。

これは人生最悪の乗物体験でした。操縦席後ろの席に座ったら、とんでもない縦揺れ。富士急ハイランドのアトラクションに匹敵する辛さ。よほど死にそうな顔をしていたのか、見かねた他の乗客が助けてくれ、最後尾の席に移動させてもらえました。お陰でこんなに違うかというくらい楽になりました。

1時間半ほどで空港に到着。
フライトまでのモルディブの最後の数時間は、フルマーレ島でも見ようと思っていたのですが、、
空港が終点だと思っていた船が、その次はマーレ島に行くと聞き、急遽マーレ島まで乗ることに。
着いたのは空港からのフェリー乗場ではなく、街の中心、イスラミックセンター近くの乗り場でした。

ここに来ると、2日前のマーレ観光で飛ばしてしまい、少々心残りだった場所に行ってみたくなりました。それは、国立大学図書館
通りすがりの観光客を入れてもらえるのか不明でしたが、歩ける距離なので、一か八か行ってみることにします。

船を下りたのは北海岸。大学は反対側の南海岸ですが、徒歩10分ほど。この狭さなのに、モルディブ人は皆スクーターに乗りたがるのが本当に不思議。
モルディブ国立大学(MNU)に着きました。

世界有数の過密都市、大学もコンパクトです。東京都心の学校のよう。隣には美大もあり、一応学生街を形成しています。
構内図があったので、図書館の場所はすぐ分かりました。

図書館玄関

受付に男女職員が座っています。
見学したいと言ってみると、最初は拒否されそうでしたが、まあいいよ、という感じで入れてくれました。
六階建てのビルが全部図書館です。
最上階は事務所なので、エレベータで五階へ。

五階からの眺め

各階の担当分野はこんな感じ。

置いている本はほとんど英語。母国語で高等教育を受けられる日本が、実は特殊で恵まれているということを実感します。
AccountingやManagementだけで棚一列分というのが、さすが大学図書館
アートの本も充実しています。

一番隅には、外国関連の本がありました。
日本についての英語の本、日本語の本も数冊。
「ぞうりとりから戦国の英雄に 豊臣秀吉」なる子供向けの本もありました。
豊富な中国関連に比べるとやはり少ないな、と思いながら振り向くと、同シリーズの徳川家康織田信長フランシスコ・ザビエルに、ヘレン・ケラー、キューリー夫人の伝記などが置いてありました。どういう分類で置かれているのかよく分かりませんが。

と思ったら、更に手前の棚には「少年少女世界の名作」、2004年頃の「手塚治虫マガジン」、「ベロ出しチョンマ」など、日本語の本が百冊以上!
ほとんどが子供向けの本です。日本語学習の教材なのでしょう。

上階には職員は不在なので、気兼ねなく周れました。WiFiも使えて快適。

鍵のかかった書庫もありました。ガラス張りなので中が覗けます。

四階は科学系、言語など。
写真多用の大判の本が多いです。
語学の本も大半は英語で書かれていますが、アラビア語、中国語の本も。
ここにも「日本のむかし話」や、高校国語教科書など日本語の本が紛れていました。

三階は社会、経済など。
広い学習スペースがあります。誰も座っていませんでしたが。
イスラム教のこの国は、金曜日が休日ですが、この日は休前日の木曜日。だからでしょうか。木曜日は開館時間も短めです。

宗教の本については、アラビア語が多いです。言語別に分けられてはいません。

続いて二階。
ここには公用語ディヴェヒ語の本が多数。本というか冊子が多め。
ディヴェヒ語の本は、各分野ここに集約しているよう。

コンピュータの本もこの階にありました。
当然英語です。全体的にやや古めに見えます。
プログラミング言語で言うとC++が多めですが、一応Swiftの本もありました。

Nature、Scienceなどの雑誌に、
何故か中国DVDコーナーもありました。

一階に下りると、壁に各階の監視カメラのモニターがずらり並んでいるのに気付きました。
利用者は五階で数人、二階で一人見ただけ。受付の人も暇そうなので、ずっと見られていたかも。
特に悪いこともしていないので、まあ良いのですが。

明大のマンガ図書館を除けば、大学図書館に入ったこと自体が二十何年ぶりかの体験でしたが、大学特有の雰囲気は日本と同じで、ある意味国立図書館より見応えがありました。

ちなみに大学内には他にも、Business Library、Health Science Library、Maritime(海事) Libraryがあるようです。

その後は東側のフェリーターミナルへ。
時間も無くなってきましたが、やはりフルマーレ島も見ておきたく、フェリーで向かいました。

フルマーレの港

船で20分、マーレの過密対策で作られたという人工島。
道は広く、緑豊かで、落ち着いています。

もし住むなら、ゴミゴミしたマーレよりこっちだな、などと妄想しながら、小一時間の散策。

人工ビーチ

ネット情報によると、このビーチには私設図書館があるみたいなのですが、この時は強面のおじさんが一人いたものの、開いているようには見えませんでした。

これが図書館、らしい

空港へのバスを見つけ、乗り込みました。
しかしこれは、専用のカードにチャージしないといけないという観光客には不便なシステム。現金払いは受け付けてもらえず、チケットを買ってこいと言われて降ろされてしまいました。

何軒かある売店、スーパーで聞いてみて、バスチケットをゲット。
30分遅れで次のバスに乗りました。
出発2時間前には間に合いませんでしたが、無事に空港に到着。

しかし、、、入国前にIMUCAなるオンライン登録をしていたのですが、同様の手続きが出国時も要るというのをその場で知り、大いに焦りました。
不安定で遅い空港WiFiを頼りにスマホで手続きしますが、何度も途中で落ちてしまい、、迫る搭乗時刻!
職員さんが助けてくれ、何とか出国審査を通過。
残った現地通貨を使い切る暇も無く、コロンボ行きの飛行機に滑り込みました。

MNU Library