図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

三好市中央図書館(徳島県)

多度津を出た土讃線は、最初こそ乗客が多かったものの、どんどん減っていき、終点の阿波池田で降りたのは数人。
次の電車まで、2時間近くの待ち時間があるので、途中下車。

阿波池田駅

駅の目の前には、アーケード商店街の入口があります。

これが幅が妙に広く、車が普通に走っています。しかも上下各1車線。こんなアーケードは初めて見ました。

アーケードに足を踏み入れると、なんと、一軒目に図書館の文字が。

駅から近いことは調査済みでしたが、ここまで近いとは思っていませんでした。

仮設店舗のような雰囲気満点です。
入ると、いきなりYA(ヤングアダルト)コーナー。
奥が一般図書です。
壁沿いには、気象災害に関する本、新刊コーナーは児童、文学、実用本と分かれています。

小ぢんまりとしていて、本は少なめ。
コンピュータの本は数十冊程度。

細長いテーブルの上には、リサイクル本がありました。絵本や雑誌。
昔の本には、池田図書館のラベルが貼られています。
三好市発足前、旧池田町時代の物のようです。

雑誌は20数誌ほど。
カラーボックスを横にしたような棚に収まっています。

奥には、小部屋が2つ。
視聴覚資料コーナーは、壁が白いタイル。まさかトイレを改装したのか?と思いましたが、本物のトイレはその先にあったので、濡れ衣でした。
映画や子供向けアニメがそこそこ

もう1つは郷土資料コーナー。
分野別に本が分けられています。
阿波ポケット文庫、なるものもありました。本当に手のひらサイズ。阿波の作家シリーズになっているようです。
その隣の列は、テーマ別。「三好長慶」、詩人「富士正晴」、「たばこ」「阿波踊り」「吉野川」に、池田高校野球部の「蔦監督」もありました。

いかにも仮の姿という佇まいですが、調べると2019年から今の場所にある模様。
蔵書数は約7万冊。どこに書庫があるのか分かりませんでしたが、開架の本は半分も無いと思われます。

図書館を出ると、その前で女子高生が二人、ずーっとおしゃべり。何をしているのかと思えば、バス停が目の前にありました。バスまで通るアーケードとは!

商店街には、昭和の香り漂う純喫茶が数軒。後で時間があったら寄ろう、と考えつつひとまず素通り。

アーケードを出てからも、商店が続きます。
讃岐、阿波、土佐の三国に繫がる交通の要衝だけに、嘗ての賑わいを感じさせます。
しかし、険しい山間の土地だけに、山の斜面にも家が建っています。

古い街並みも少し残っています。
その中にあるのが、阿波池田たばこ資料館。

たばこは好きではないのですが、他に観光スポットもなさそうなので、入ってみました。
中では、おじさんが親切に説明してくれました。私設のような雰囲気ですが、市営のようです。
今は巻きタバコですが、昔はタバコと言えば刻みタバコ。
嘗ては小さな工場が多数あったそうですが、日本で最後に残ったのがここ池田で、今は消滅。
この辺りで盛んだったたばこの栽培も、今は行われていないとか。

ここも刻みタバコの工場だったそうで、機械が展示されています。

住宅も兼ねていて、庭も綺麗。

少し前から小雨がぱらつき始めました。傘は持ってこなかったと言ったら、使っていない傘があるから持っていって、と親切にも言われました。
この時は大した雨でもなかったので、正直邪魔な荷物になるかなと思ったのですが、、その後の旅の間、この傘が大活躍するのでした。

この町でもう1つ見ておきたかったのはここ、池田高校。
約40年前、甲子園で大旋風を巻き起こした高校。最近は甲子園から遠ざかっているようですが。

「蔦監督」が映画化されたそうで、町にポスターが貼ってありました。
池田高校前から坂を下ると、以前の図書館がありました。やはり今の施設は仮設で、いずれ新しく生まれ変わるようです。

ともあれ、このブログでここ徳島県が46県目。残すは遂に、これから向かう高知県のみとなりました。
結局、喫茶店に寄る時間は無くなり、本数の少ない高知方面行きの電車に滑り込みました。

三好市図書館(室)案内 - 三好市教育委員会