図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

花巻市立石鳥谷図書館(岩手県)

花巻市郊外の道の駅で朝を迎えました。
前日は風呂に入りそびれたので、花巻温泉郷の中では比較的近く、朝早くからやっている台温泉に行ってみることにしました。
途中、イギリス海岸の案内標識を見つけ、立ち寄り。
宮沢賢治が愛し、その名を付けた場所は、元々は河底に岩肌が覗く光景だったのですが、今は水量が増えて岩肌が見えることは滅多に無いとか。

再び走り始めて、次に目に入ったのは、大谷翔平の母校、花巻東高校の看板。
気になったのでちょっと見てみると、かなり大きそうな学校でした。

そして、山の中の台温泉へ。

朝から駐車場はほぼ満車でした。
汗を流してすっきりし、平地に下りてきました。
そのまま盛岡の方に向かおうと思っていたのですが、カーナビの地図で、道の駅と図書館が隣接している所があるのに気づき、寄ることに。

道の駅石鳥谷

図書館は、道の駅の駐車場を挟んだ向かい。ほぼ併設です。

しかし朝早いので、どちらも営業前。すぐ横のローソンで時間を潰しました。

開館時間の9時を過ぎ、いざ入館。
カウンターの前から、真っ直ぐに伸びる通路。
その左右の本棚の両面に番号が振られており、44番まであります。
1番と44番が隣り合っており、共に郷土の先人コーナー。
石川啄木高村光太郎新渡戸稲造、萬鐵五郎、宗教学者山折哲雄、女子教育に尽くした淵澤能恵、そして宮沢賢治と、実に多彩で豪華な顔ぶれです。
数十年後には、大谷翔平がここに加わるのかも。

カウンター前では地元書道家の墨、筆、などを展示していました。

コンピュータの本は少なめ。
窓際の可動式棚には、文庫本が並んでいます。
反対側の壁際には、マンガがずらり。
「郷土のマンガ」なる棚もありました。
宮古の図書館でも見かけた「コミックいわて」がここにも。
ゴルゴ13」始め、さいとう・たかを作品が多数。花巻に別邸を構えていたとか。
ドラゴン桜」等で知られる三田紀房も岩手出身のようです。

CD、DVDも少しあります。
野球のコーナーには、大谷翔平と名の付く本が十冊ほどもありました。
雑誌は30誌ほど。

カフカの絨毯敷きの階段で、二階へ。
ロビーでは、絵手紙展をやっていました。
二階は学習室のみかと思ったら、消灯されていて気づきませんでしたが、資料室もありました。
自分で点灯して、中へ。
郷土の先人にも入っていた、淵澤能恵をパネルで紹介していました。
韓国女子教育の礎を築いたというその生涯がよく分かりました。
醸造、酒に関する本も置いています。なぜか、水上勉のサイン入り徳利も。

一回に戻り隈なく見回っても、郷土資料がどこにも無い、と思ったら、リファレンス室なるものがあるのを発見。
中には、岩手県全般の本が多数置かれていました。

開館は1992年。蔵書数は約10万冊。
前には、宮沢賢治「三月」の詩碑が立っていました。

図書館の裏には、巨大な歴史民俗資料館があるのですが、休館中。
道の駅の向こうには、南部杜氏伝承館があります。

日本三大杜氏に数えられる南部杜氏の拠点が、ここ石鳥谷とか。
図書館に酒の本コーナーがあった理由も頷けました。

中では酒造りの紹介と共に、有料で日本酒の試飲も出来るのですが、あいにく車なので無理。
そそくさと出発しました。

施設案内 石鳥谷図書館|花巻市