図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

山形市立図書館中央分館(山形県)

 山形駅近くのホテルで一泊し、朝食後に少し山形市内を散歩。

図書館は多くが月曜日を休館日にしており、ここ山形でも県立、市立とも休んでいますが、
徒歩圏内にある市立の分館が開いている模様。

市内一の繁華街、七日町まで歩いていきます。
山形県内唯一のデパート「大沼」が閉店したことで、全国初の百貨店空白県となった事が、
今年ニュースになっていましたが、
その大沼の数軒隣、まさに超一等地の商業ビル「az七日町」の五階にあります。

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ここの五階にあります

ビル内には無印良品、100円ショップなどのお店や、芸文美術館が入っていますが、
朝9時の時点で開いているのは図書館のみ。
エレベーターで五階に上がりました。

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五階からの眺め。まさに街の中心。

ロビーには山形県産のこけし、刃物などの展示ケースがありました。
その先にある図書館はと言うと、これは小さい。。
図書館と言うより図書室のレベル。

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図書館前のロビー

新聞は、全国紙3紙と、ローカル紙1紙の4紙のみ。
雑誌も十種類ほどしかありません。

視聴覚資料も置いていないようです。

小さいながら、郷土資料の棚がありました。
山形を舞台にした本の他、郷土出身作家の本が並んでいます。
上山に記念館のある斎藤茂吉は割に有名ですが、他にも
飯島和一、小川糸、長岡弘樹といった面々が山形出身のようです。

その中に、三島弥彦を扱った本が一冊。
昨年の大河ドラマ「いだてん」に登場した日本初のオリンピック選手ですが、
山形出身でもないのになぜこの本が?と不思議に思いました。
その答えは、後で明かします。

図書館を出て周囲を散策。
ちなみに大沼の建物は、まだ健在です。

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 山形駅近くの旧山形城、霞城公園市内に向かいました。

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山形城の堀

途中、美術館や博物館が点在していますが、あいにく月曜日はどこもお休み。
唯一開いていたのがここ。

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霞城公園内にある重要文化財、旧済生館本館が山形市郷土館になっています。

ここの展示を見ていて、先ほどの図書館での謎が解けました。
初代山形県知事は三島通庸(薩摩出身)。その息子が弥彦だったようです 。
なお、ここは元病院だったようで、古い医療器具などの展示が充実しています。

 

施設案内 – 山形市立図書館

蔵王町立図書館(宮城県)

白石を出て、次に向かうは、蔵王町の図書館。
白石市からはバイクで15分ほどの近さでした。

向かいは蔵王町役場。
ございんホールなる名前の文化会館になっており、図書館だけでなくホールも入っています。
先ほどの白石市の図書館とは好対照の、新しい建物です。
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5時閉館だと思い込み、時間が無いと思って大急ぎで来たのですが、
閉館時間は6時でした。余裕があります。

ロビーに入ると、自動の検温機が作動していました。
前日の会津、先ほどの白石と、3館続けてこれに遭遇。
南東北はハイテク導入が進んでいるようです。

図書館前の展示室では、地元水彩画クラブの作品展をやっていました。

いざ図書館に入ると、「蔵王遠刈田温泉 観光ことはじめ」のパネル展示が目に入りました。
昭和初期の蔵王、遠刈田の写真が飾られています。

この前には、「こけしに恋して」なる企画展示。
こけしに関する本が集められていました。

外からの見た目どおり、置かれている本も新しいものが多いです。
CD、DVDも少量ながら置いていました。

蔵王の本」のコーナーもありました。
蔵王山の本ではなく、蔵王町の本のようです。
こけし真田幸村に関する本などが置かれています。
真田幸村については、その子女が白石城に預けられ、うち何人かがこの辺りで育った、という縁だそう。
その横には「宮城の本」のコーナー。
こちらはやはり伊達政宗

雑誌の種類も多くは無いですが、珍しく「Disney FAN」なども置かれていました
宮城の片田舎の図書館で目にすると、何とも不思議な感じ。

大長編小説「大菩薩峠」を一冊にまとめたという本も。
これは初めて見ました。一冊になったのは凄いけど、字が小さい。。

中では何人もの職員の方が、本棚の整理に勤しんでいましたが、よく見ると利用客は私一人。
日も暮れた日曜夕方5時の、小さな町の図書館。まあこんなものでしょう。

蔵書数は約6万冊。
平成16年(2004年)に開業したようです。

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図書館前には町役場

この日の宿は、山形市内。
蔵王に上ってから、山形に抜けるつもりで取ったのですが、本日の蔵王行きは断念。
こんなことなら、白石か仙台に泊まった方が良かったかも。
山形自動車道と並走して山形市に抜ける国道286号線は、
途中から1車線幅でクネクネとカーブを繰り返す、中々の”酷道”でした。
しかし時おり眼下に、仙台だか山形だかの夜景が垣間見え、日中なら見事な眺望が拝めたかもしれません。

蔵王町立図書館トップページ

白石市図書館(宮城県)

会津若松で一泊した後、
この日は旅のメインイベント、蔵王を目指します。

当初は米沢を経由して、山形県側から宮城県側に抜けるつもりでしたが、
磐梯山の紅葉も拝んでみたくなり、福島、白石を通り逆ルートで目指すことにしました。

手始めに、磐梯町の公民館図書室に寄ろうとしたのですが、、、
閉まっていました。。
美しいデザインで統一された公民館、体育館が並んでいますが、人影は皆無。
ここは休館日の情報が見つからなかったのですが、日曜日がお休みだったようで。

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磐梯町の公民館

まだ先は長いので、気にせず再出発。
磐梯山ゴールドライン、磐梯吾妻レークライン、磐梯吾妻スカイライン、と、嘗て有料だった観光道路を梯子し、
紅葉に彩られた絶景を堪能します。

途中、バイクのメーターパネルに、見慣れない「FI」なるエラー表示が点灯。
FIって何?
スマホで調べると、Fuel Injectionのことのようで、
重大不具合に繋がる場合もあるし、放っておいていい場合もあるし、、とのこと。不安が膨らんできます。
しかし走行に支障は出ておらず、いずれにしてもこの山中ではどうにも出来ないので、
標高が高くて気圧が低いので、燃料供給がうまくいかないだけでは?と都合の良い解釈をして、
そのまま進むことにしました。

順調に飛ばしていましたが、
磐梯吾妻スカイラインの途中から、突然渋滞が始まりました。
これが延々と何kmも続き、しかも全然進まない。。
しびれを切らし、Uターンしていく車もあります。

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渋滞の先は、浄土平

原因は、浄土平の駐車場にある横断歩道でした。
人がひっきりなしに渡るので、車列が進まないようです。
ここを抜けると、渋滞どころか、前に車は全く見えません。しかし今度は逆車線が大渋滞。。
これは行政の無策では無いでしょうか。
信号を立てるなり、地下道を掘るなり、休日だけでも人が交通整理するなりで、対策すれば解消可能ではないかと。。

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不動沢橋からの眺め。紅葉はここが一番綺麗でした。

最初は、午前中の内に白石辺りまで行ければ、と思っていたのに、
福島市に下りてきた時点で早くも2時過ぎ。
昼食もまだだったので、国見の道の駅で小休止すると、もう3時。
今から蔵王に向かうのはリスクが高いと判断し、本日は断念。泣く泣く明日に回すことにしました。

となると急に時間に余裕ができたので、
午前中に着けたら寄ろう、駄目なら飛ばそう、と思っていた、白石市の図書館に寄ることにしました。

ちなみにFIのエラー表示は、町に下りてきても一向に消えず、不安が増大していたのですが、
小休止後の再起動で消えました。
標高を下げる&しばらく休む、が必要だったのでしょうか。

国道4号線から市内に入る道を間違え、田圃の中を無駄にぐるぐる回ってしまいましたが、
何とか市内中心部に入ってきました。
目抜き通りの商店街は、見事なまでにシャッター街

バイクを停めた駐車場の前の古民家で、たまたま「白石和紙」の無料展示をしていたので見学。

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白石和紙

お次は町のシンボル、白石城
街中の停滞ぶりは悲しいものがありましたが、
ここは意外に多くの観光客がいました。
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お城近くの武家屋敷通りも覗いた後、図書館を目指します。
すると、SFチックな不思議なビルが見えてきました。まるで銀河鉄道の始発駅のよう。
これが図書館か?と思ったら、これは情報センター・アテネという施設でした。

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何ともアバンギャルドな情報センター

図書館はそのすぐ裏。
好対照な、古~い建物でした。

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その裏にひっそり佇む、図書館

正面には「100年の歴史 白石市図書館」なる看板が出ています。

いざ中に入ると、やはり内装も古さを隠せません。
さすがにこの建物が100年経っているわけでは無いと思いますが。
天井は低く、昔ながらのスチール棚。
しかし、昨日の会津図書館と同じく、自動検温機が作動しているのは意外でした。

雑誌は、スポンサー制度を導入しているようで、
企業、お店などの名を出すことで、援助してもらっているようです。

二階は閲覧室、参考図書。
閲覧室の奥には、9人の地元名士の寄贈から成る「個人文庫コーナー」の部屋がありました。
鍵がかかっており、利用したい時は職員の方に頼まないといけないようです。
気にはなりましたが、何が置かれているかも分からないので、敢えて冒険する勇気は出ず。

郷土資料室は、宮城県の関連本が多数。
伊達政宗に関するものも目立ちます。

階段の傍には、リサイクル本のコーナーがありました。
ここの本がまた古い!
昭和30年代、40年代の本が無造作に並んでおり、
古すぎて本の背表紙が判読できないものも多数。
もしかしたら、プレミアが付くような本もあったかもしれませんが。。

壁、床、階段、そして本と、どこを見ても古さを感じずにはおれない図書館でしたが、
それも長い歴史の証。
白石の町らしい、大切にすべき味わいのような気もしてきました。

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武家屋敷通り

図書館 - 白石市ホームページ

会津若松市立会津図書館(福島県)

先ほどの民営図書館に次いで、目指すは大学図書館
コンピュータ教育特化で知られる会津大学の図書館が、学外者でも利用可能なようで、
どんな蔵書があるのか、とても興味深いものがあります。
しかし、会津坂下を出たのは既に4時半を過ぎており、閉館の5時に間に合うかかなり微妙。
途中ほぼ諦めていたのですが、何とか5分前に到着!

入口に、学外の方はお知らせください、と書いてあるので、カウンターで告げると、
職員の方が申し訳なさそうに、
コロナ対策で学外者の入館はお断りしている、ホームページでもお知らせしている、と。。
残念。。黙って入っても分からなさそうだったので、正直者が馬鹿を見た気もしないでも無いですが。
時間に間に合わずに地団駄を踏むよりは、スッキリして良かったかなと。
それにしても綺麗なキャンパスでした。

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会津大学図書館の前の眺め

気を取り直し、次に向かうは、会津若松市の図書館。
歴史と伝統のある街なので、期待が持てます。
街の中心部、七日町エリアの裏通りに、出来て間も無さそうなピカピカの生涯学習センターがありました。
この中にあるようです。

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この二階にあります

入ると、無人の自動検温機がありました。
入場者の顔を認識して、体温が高いと警告が出るようです。
まるで、成田空港の帰国カウンターのよう。

最初はどこが図書館入口なのか分かりませんでしたが、専用のエスカレータを発見。
1人分の幅の、狭くて長いエスカレータで二階に上ると、正面がカウンター。
その左側エリアは一般、右側エリアは児童書になっていますが、実はその先で繋がっていて、
一周して戻って来られるようになっています。

雑誌のコーナーは、かなり個性的な品揃え。
官公庁、財団法人などが発行する冊子類が大量に置かれています。
総務省」「にちぎん」「司法の窓」「日本の祭り」「MILK CLUB」など、見たことの無いものばかり。
ちなみに最後のものは、中央酪農会議の発行とのこと。
会津嶺」は 個人で発行している地元文芸誌のようです。
ヤングアダルト向けも「電撃文庫MAGAZINE」「蛍雪時代」「GiGS」など、他ではあまり見かけません。

近くにはAV資料がありましたが、数は多くありません。
CDは全体的に少ないですが、特にポップス、ロックは数えるほどしかありません。
珍しいものとして、「地球の歩き方」のCDシリーズがありました。各国の民族音楽を収録しているようです。
DVDも映画は少しあるだけで、教育資料的なものが大半。
児童書のコーナーにも、子供向けのAV資料が少しありました。

左奥手に進むと、法律関係の資料が壁を埋め尽くしていました。
100巻超の「現行法規総覧」は棚を3つほども独占。
他にも「福島県例規集」、憲法民法などの「基本判例」、「教育法令集」などがずらり。

その手前は、郷土資料コーナーになっていました。
さすが会津若松。期待通り、膨大な数の蔵書です。
地元文芸同人誌から、「会津おとこ賦(うた)」といった漫画も。
「その女、ジルバ」なる漫画もありましたが、内容は福島に関係なさそう。作者が地元出身のようです。

郷土の有名人として新島八重古関裕而野口英世などの関連書籍も。
会津藩家世実紀」「会津藩諸氏系譜」などは他所では中々見られません。
「ふくしま文庫」なるローカルな書籍シリーズもあるようです。

近くには、山川健次郎なる人物の小さな木像も置かれています。
元白虎隊士で、長じては物理学者。
更には東大、九大、京大の総長を歴任したという、とんでもないキャリア。会津の偉人です。

一般書籍を眺めている限りは、意外に普通の図書館、という印象でしたが、
やはり歴史と伝統に裏打ちされた、底力を秘めていました。
中央図書館でなく、会津図書館と名乗っているところに、会津若松市だけなく、
会津地域を統括しているという自負を感じます。

やはり歴史は古く、最初に開館したのは明治36年。
現在のものが出来たのはちょうど震災の年、2011年のようです。

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居酒屋の明かりが灯る、市役所通り

目の前の道は、市役所通りとの名ですが、居酒屋が多く、歓楽街の様相。
しかし市役所のすぐ傍というこの土地こそ、昔からの街の中心地のようで、
その立地にもこだわりを感じます。

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市庁舎


福島県 会津若松市立 会津図書館 ホームページ

ふくしま本の森(福島県 会津坂下町)

週末+有休を利用して、南東北ツーリングに出掛けることにしました。
初日は生憎の雨。しかも12月並みの寒さとの予報。
どうしようかと思いましたが、行きたい衝動が抑えられず、防寒、防雨体制を整えて出発。

最初に向かうのは、先週スマホとデジカメの同時トラブルで写真の撮れなかった、権現堂堤と五霞町公民館。
ちなみに、スマホは2年前まで使っていたポンコツを復帰させ、
カメラはその更に前、5年前まで使っていたiPhone5で凌ぐことにしました。

リベンジを果たして、溜飲を下げ、この日の真の目的地、会津若松を目指します。
ここまで来ると東北道より国道4号バイパスの方が便利なので、
雨の中、オール一般道の旅となりました。

途中、矢板の道の駅で少し休んだだけで走り続け、
幸手から5時間ほどかけて到着したのは、会津坂下町の民営図書館。
公営でない、民営図書館を紹介するのは当ブログ初です。
JR只見線会津坂下駅から北西に2㎞ほど。
会津若松からは北西に10㎞ほど。

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営業時間は13時から16時までと短く、着いたのはギリギリ、閉館10分前でした。
幼稚園を改装したようで、壁には「やはたようちえん」の文字がそのまま残っています。

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入口

扉をくぐり、玄関でスリッパに履き替えます。
雨で足が濡れ切っていたので、やむなく靴下も脱ぎました。

中には、あかぐみ、あおぐみ、と幼稚園そのままの部屋があり、中に本が並んでいます。
最初の「あかぐみ」は絵本の部屋でした。
廊下には芥川賞直木賞などの受賞作の文庫本。
「あおぐみ」には一般書の本棚が並んでいます。

奥の「ゆうぎしつ」の部屋は広く、ここも本がぎっしり。
舞台だったのか、一部は床が高くなっていますが、そこも本棚が並びます。

本は寄贈、スタッフはボランティアという手造りの図書館ですが、本の数は中々のもの。
堂々、4万冊ほどあるそうです。
全部ではありませんが、分類番号も付けられて、あらゆるジャンルが揃っています。

あっと言う間に閉館時間。
スタッフの方にも、次はゆっくりお越しください、と言われながら図書館を後にしました。

もらったパンフレットを見ると、
貸し出し冊数は無制限、返却期限も無し、また貸しもOK。
人から人へ読み継がれていくとしたら、返却の必要はありません、とまで書かれていました。
それなら何か借りれば良かったな。。と思いましたが、
滞在時間10分ではじっくり選ぶこともできなかったので、仕方ありません。

会津盆地に入った頃から雨も上がりました。出発の前に、周囲を少し散歩。

すぐ前には、恵隆寺なるお寺がありました。
所蔵する千手観音、通称立木観音は何と、重要文化財指定とのこと。
しかしこの時は、既に拝観受付は終わっているようでした。
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その向こうには、これまた重文指定、茅葺きの旧五十嵐家住宅。
しかしこれも4時までで、既にクローズ。
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ほんの数分歩いた先には、心清水八幡神社
ここも平安からの歴史があり、重文指定の文書を所蔵しているそうな。
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観光スポットが目白押しです。
やはり、もう少し余裕を持って訪れるべき、魅力溢れる場所でした。

ふくしま本の森

五霞町中央公民館図書室(茨城県)

白岡市を出て、彼岸花の咲く幸手の権現堂堤に。

後でじっくり見ることにして、先に隣町の茨城県五霞町に寄ることにしました。

 

ガソリンスタンドで給油し、走り出した後、

スマホが見当たらないことに気付き、一旦道端にバイクを停めます。

タンクバッグの中を探るも無く、ジャケットのポケットにも無い。

まさかどこかで落としたか?とUターンして元の道を戻ると、、

100mも戻らぬうちに、先ほど走ってきた路上にスマホが落ちているのを発見!

急いで拾わねば!しかし車はひっきりなしに行き交っており、、

タイミングを計っている間に、無情にも車に轢かれてしまいました。

 

車が途切れた瞬間に駆け寄って拾い上げましたが、

画面はバリバリに割れ、細長い線が光っているのみ。完全にお陀仏でした。。

 

恐らくタンクバッグの上に置いたまま走り出してしまい、途中で落ちたのではないかと。

愚かなことをしてしまいました。

 

しばし放心状態で立ち尽くしましたが、

デジカメも持ってきたので写真は撮れるし、予定通り行こう、

と気を取り直し、図書室があるはずの五霞町の公民館に向かいます。

頼りのスマホナビは使えなくなりましたが、事前に頭に入れていた地図を思い出しつつ、

さほど迷わずに到着。

 

町役場も近くですが、基本的には農地の広がる寂しい所。

人気も無く、古びた公民館です。

とりあえず写真を撮ろうと、デジカメの電源を入れ、、入らない。。

前々から調子が悪いのを騙し騙し使っていたのですが、

1時間前には何とか使えていたのに、まさかこのタイミングで成仏するとは。。

(この時は電池切れかと思いましたが、家に帰って充電しても駄目でした。)

 

ということで、写真を撮る手段を絶たれてしまったので、どうしようかと思いましたが、

ここまで来てしまった以上、中に入ることにします。

 

公民館の受付にはおじさんが一人。

図書室を利用するにはここで受付。名前を書きます。

図書室には係員はおらず、本を借りる際もここで受け付けるとのこと。

 

いざ、右手にある図書室へ。

背の高い本棚が並ぶ、昔ながらの図書室でした。

置かれている本も古めです。

町史などの郷土資料も少々置いていますが、蔵書数は少なめ。1万冊程度でしょうか。

 

児童書が比較的多いですが、並んでいる本が実に懐かしい。

学研の「〇〇のひみつ」シリーズ、「学研の図鑑」など、まさに私が子供の頃、

昭和の時代に見ていた本が並んでいました。

 

コロナ対策で閲覧席は減らされていましたが、

その中で少年が一人黙々と勉強していました。

他に人はいませんでした。

 

目の前でスマホの昇天を見せつけられ、

更にデジカメにも裏切られたショックは癒えず、取材に身が入りません。

長居する空気でもないので、早々に外に出ました。

 

向かいにはコンビニがありますが、その間の道沿いには、

子供をモチーフにした石造りの オブジェが立てられていました。

 

それにしても、茨城県の中でここだけが利根川の南にはみ出しており、

元栗橋などという埼玉県と同じ地名があったりして、茨城県であることが不思議な町です。

 

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公民館でもらった、観光パンフレット

 

バイクで10分足らずで権現堂堤に戻り、彼岸花をじっくり鑑賞。

ピークは過ぎていましたが、まだまだ見応えのある赤い絨毯。

堤の東側はかなり落花が進んでいましたが、

西側は何とか持ちこたえていました。

 

多くの人々が思い思いにカメラを構えているのを見ると、

それの叶わぬ境遇が悲しくなってきます。

幸手市の図書館にも当然寄るつもりだったのですが、その気力も失せてしまい、

早めに引き上げることにしました。

またいつか、改めて訪れることを誓って。

 

<後日追記>

あれから6日後、早くも再訪の機会が得られました。

南東北ツーリングのついでに幸手五霞に寄り、写真をパチリ。

無事、埋め合わせが出来ました。

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一段と枯れが進みましたが、権現堂堤の彼岸花

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右手に図書室の入る、五霞町中央公民館

図書室 | 五霞町公式ホームページ

 

白岡市立図書館(埼玉県)

この日は、幸手市の権現堂堤に彼岸花を見に、バイクで出掛けることにしました。

何と言っても桜と菜の花の競演で名高い所ですが、紫陽花の名所としても知っていました。

しかし、彼岸花の名所でもあることは最近知りました。

 

その前に、白岡市の図書館に立ち寄り。

東北道蓮田SA/スマートICへのアクセス路を、東北道に沿って北上していくと、

図書館ではなく、生涯学習センターの案内が見えました。

これだろう、と案内に従っていくと、ガラス張りの美しい建物の中に

本棚が並ぶのが見えました。

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やはりここが図書館でした。

それにしても美しい。これは期待が持てます。

 

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パノラマ写真。扇形のようです。

アルコール液で手を消毒して、いざ中へ。

入口脇には郷土資料のコーナー。

埼玉県内の市町村史がずらりと並んでいます。

白岡市の都市計画図などまでありました。

 

お隣には、小さな郷土資料展示室。

周辺の遺跡で出土した土器などが飾られています。

立川金禄なる仏師の木彫作品、「軍鶏」も展示されていました。

 

一階は児童書、ヤングアダルト、新聞・雑誌。

 

漫画が結構充実しています。

はだしのゲン」「アドルフに告ぐ」など図書館での定番ものから、

進撃の巨人」「鋼の錬金術師」「名探偵コナン」「暗殺教室」「キングダム」

等々、最近の人気作が取り揃っています。

 

外周には音楽・軽スポーツ室、集会室などの扉が並んでいます。

やはり図書館だけでなく、教育施設としての役割も担っているようです。

 

 中央には、ガラス張りのエレベータ。

優雅な気分で二階に上がります。

 

こちらも外周には会議室、創作室、音楽スタジオなどが並んでいました。

 

本は新しめのものが多く、「地球の歩き方」「るるぶ」などは’18年版以降のものばかり。

この図書館が開設されたのがその辺りなのかな、と思い調べると、

平成30年(即ち2018年)10月1日開館とのこと。ドンピシャでした。

 

窓際には、外を眺めながら本が読める閲覧席が並んでいます。

バルコニー席への扉もあり、

バルコニーには、オープンカフェのように白い丸テーブルと椅子のセットが置かれています。

おお、これは良い!と思ったら、、、新型コロナ感染対策のため使用不可、とのこと。

これは、、、ちょっと理解できません。

屋外の方が室内の席より安全だと思いますが。。

 

大きな学習室もありましたが、同じく使用不可。こちらは理解できますが。

CD、DVDはあまり多いとは言えず、いずれもせいぜい千枚程度と見ました。

 

三階もありそうに見えるのですが、階段もエレベータも二階より上に通じていません。

採光だけのスペースのようです。

 

まだピカピカで、ゆったりとしたスペースで居心地の良い、この図書館。

蔵書数は約22万冊、との情報がありました。

 

周辺は高速道路と農地に挟まれた何もない所ですが、

市役所、保健センターなど、市の公共施設が集積しています。

古代蓮の繁る池を囲んで、道の駅のような売店がありました。

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店頭では白岡名産の梨を販売しています。

そういえば図書館の郷土資料展示室にも、梨栽培の歴史についての紹介がありました。

正直あまり安いとも思えなかったですが、せっかくなので大きな梨を1つ購入。

横にそば店もありましたが、営業は14時まで。

14時にはまだ数分あったのですが、既に完全に閉まっていました。

 

白岡が梨の産地というのは、実は全然知らなかったのですが、

北に向かって再び走り出した道は、右も左も梨畑。

埼玉県にもこんな所があったなんて、と心弾ませつつ幸手に向かいます。

この後、悪夢の出来事が待ち受けていることも知らずに。。

 

白岡市立図書館について/白岡市生涯学習センター