図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

さいたま市立与野南図書館(埼玉県)

新型コロナによる外出自粛が続いたため、もう長いこと大きな街に出ていません。
よく考えると自粛以前に、今年に入ってからろくに行っていないかも。
賑わいに飢えてきました。

一応まだ県外移動は自粛の要請が出ているので、
今週末は久しぶりに、バイクで県下一の繁華街、大宮にでも行こうかと計画しておりました。
しかし、あいにく不安定な天気が続くのでバイクは諦め、
車で行きやすい、大宮のちょっと手前の与野あたりに行くことにしました。

というわけで今回選んだのは、6月から営業再開した、さいたま市立の与野南図書館。

さいたま市には現在、分館も含め25もの図書館があるようです。
かなりの数に感じますが、120万超という人口を考えれば、特別に多いわけでもなさそう。
人口比なら、4万人弱で2館の三芳町や、10万人で4館の富士見市の方が上です。

この25館の内、私が行ったことがあるのは1/4ほど。
都会ゆえに駐車場が無い所も多いので、駐車場があり且つ目的地方面という条件で選んだ
与野南図書館は、この日が初訪問です。

随所に咲くアジサイを窓の外に眺めつつ車を走らせると、
静かな住宅街の中、学校の向かいにそれはありました。
JR南与野駅からもほど近いのですが、歴史の浅い埼京線の駅前には昔ながらの商店街などは無く、
駅前にありがちな雑然とした雰囲気はまるでありません。

公式サイトの情報によると、駐車場は8台分しか無いとのことなので、
満車で停められなかったりしないか、不安でした。
しかし着いてみると、1台も停まっていない。。
本当に開いているのか心配になりましたが、とりあえず車を停めて玄関の方に回ってみると、
ちゃんと開いていました。

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正面玄関。ここから見ると大きな図書館に見えますが。。

三芳町富士見市でもそうでしたが、ここもやはり、滞在は30分以内にしてください、とのこと。
入口ドアの向かいにスタッフの方が座っており、
滞在期限の時刻を書いた紙を入れた、ネックストラップを渡されました。

ストラップを首にかけ、アルコールで手を消毒し、万全の対策でいざ中へ。
外からはなかなかの大きさに見えたのですが、意外にこじんまりとした一室でした。

面白いのは、本棚の配置。
部屋の中には3本の四角い柱が立っており、その4面に添うように本棚が並べられています。
そして壁沿いに本棚が並んでいるのは普通。
しかし、それ以外の本棚は全て、斜め45°に並べられています。
棚と棚の間も広く、かなりゆったりとした感じです。

カウンターには飛沫よけのビニールシートが吊り下げられ、
椅子は撤去もしくはテープを張って使用禁止にされているのは、
すっかりコロナ下ではお馴染みの光景です。
新聞、雑誌の閲覧も制限している所が多いのですが、
ここは最新刊も含め、普通に閲覧できるようになっていました。
ただし、その種類は元々少なめです。

床には、スーパーのレジにあるように、
「貸出しの方はこちらでお待ちください」と書かれた足型が1m間隔くらいに列を作っており、
奥のカウンターから反対側の窓際まで、館内を貫いていました。
しかしお客さんの数は少なかったので、行列は全くできていませんでした。

中央の柱の周りには、CDが置かれていました。
見たところ、ポピュラー系は80年代以前のものが中心で、21世紀のものはほとんど無さそう。
図書館自体はさほど古くは見えないのですが、CDのラインナップだけは妙に古めの印象です。

本の数は、全体的に少なめ。
私がよくチェックする、コンピュータ関係の本などは特に寂しい感じです。
館内の洒落た、ゆったりとしたレイアウトは、もしかして本の少なさを誤魔化すため?
という邪推が頭に浮かんでしまいました。
調べてみると、平成22年の統計によると、蔵書数は約5万冊。
やはり、市内の図書館の中でもかなり少なめの部類です。

一通り見て回った後、ふと気づくと、入口寄りの柱の下に、
「手に取った本は棚に戻さないで、こちらに」と、青いプラスチック箱が置いてありました。
その時にはもう何冊も触った後だったので、遅いよ!と思ってしまいました。
そもそも本気で遵守させる気も無さそうで、
箱が置いてあるのは1か所だけ、実際中には1冊も入っていませんでした。

ネックストラップを返し、駐車場に戻ると、自分の車の両横に車が停められていました。
空いているのだから、わざわざ横に付けなくてもいいのに。
前の道は狭いので、左右に注意を払いつつ車を出すと、目線の先には埼京線東北新幹線の高架が。
新幹線が通れば結構うるさそうですが、見ている間に通ることはなく、実に静かな小雨の日曜日でした。

ちなみに、
与野に来ようと思ったのは、北与野駅の前にある大型書店に行ってみたくなったから。
しかしいざ来てみると、以前は地下一階から三階まで、ほとんどが書籍売り場だったはずが、
三階はスポーツ用品店、地下は普通のスーパーに。
なんと、書籍は一階だけになっていました。
辛うじて大型と呼べる程度の品揃えはまだ維持していますが、出版不況ぶりを
あらためて見せつけられたようで、悲しい限り。
まあ元々、なぜこんな所にこんな大きな本屋が?と不思議に思っていたのも確かですが。

お店を出ると、時刻は5時過ぎ。
夏至も近づくこの時期、まだ日没は遠く、もう少し寄り道したくなります。
-続くー

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