図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

栃木県立図書館(栃木県)

コンビニしか開いていないような早朝から餃子定食が食べられる街、宇都宮の朝が明けました。

この日は、栃木県立図書館を訪問する計画です。
前夜、無理をして宇都宮市立図書館に行ったのは、県立図書館と対比してみたかったから。
宇都宮に宿を取ったのも、ここに来てみたい、というのが動機の一つ。

宇都宮駅東口にあるホテルからは、バイクでものの数分で着きました。
場所は街の中心部、県庁の隣です。
駐輪場は専用のものがあるので助かりましたが、駐車場は無く、県庁のそれを利用。
ただしこの日は閉庁日なので、駐車場も閉じているとのこと。

屈曲する階段を上る先に、武骨でありながら多面的な複雑な形状の建物。
下から見上げると、まるでお城のよう。
いや、要塞と言った方がしっくりくるかも。

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要塞のような県立図書館

階段の麓までの道も結構な上り坂なのですが、更に長い階段を上り、いざ中へ。

天井は上まで吹き抜けになっています。
館内中央にもやはり階段。
四階まで貫かれ、上層のフロアは交互に左右に振り分けられているという、開放的な造り。

入口左手は、新聞の閲覧コーナー。人は誰もいませんでした。
読書室の扉もありますが、コロナ対策で封鎖。

奥には視聴覚資料室。
CDがずらり。中々の数ですが、昨日市立図書館に圧倒されたので、驚きはありません。
ジャンルは、ほぼクラシック一色。

壁沿いの棚には、薄黄色の、古びた薄い本がぎっしりと詰められています。
近付いて見ると、楽譜でした。輸入品も含まれています。

視聴覚室の入口脇には、滝澤宏郎コレクションなるガラス張りの部屋があります。
レコードがびっしり並ぶ様がガラス越しに見えますが、あいにく中に入れるのは職員の方のみ。
滝澤氏は、1994年に亡くなった精神科医とのことで、ジャズを中心に14,000もの資料を寄贈されたそうです。
そう言えば、宇都宮は餃子の街だけでなく、ジャズの街としても売り出しており、
ジャズ喫茶、バーも散在するようです。
このコレクションの存在も影響を与えているのでしょう。

更にその奥には、SPレコードコレクション(!)なる扉も見えました。
LPレコードなら子供の頃は普通に見ましたが、SPは実物を見た覚えがありません。
とことん歴史を感じさせます。

カウンターの横には、なんと、蓄音機が置かれています。
しかし後ろを向いており、ここも一般客は入れない所なので、残念ながらよく見えません。

二階は、左に利用受付のカウンターと、新聞縮刷版のコーナー。
右は自然科学、社会科学の公開資料。
新型コロナ、感染症の特集コーナーがお出迎え。
手に取った本は棚に返さず、返却ボックスに入れてください、とのことで、
青いプラスチックの箱が随所に置かれていました。
無闇に手間をかけさせるのは申し訳ないので、極力手には取らず、背表紙を見るだけで我慢。

奥の方には文庫本が大量にありましたが、お堅いレーベルのものばかり。
具体的に挙げると、
岩波文庫講談社学術文庫、ちくま文芸文庫、光文社古典新訳文庫平凡社ライブラリー。。
これだけで、この館の特性が分かってしまいます。
県立図書館を紹介するのは、埼玉県熊谷に次いで2つ目ですが、
お堅い雰囲気はよく似ています。
雑誌もやはり一般向けでない堅いものが多いですが、「週刊新潮」「鉄道ファン」なども置いていました。

閲覧席は利用可能でしたが、大きな机に椅子を一つだけ残し、後は片付けられています。
人は少ないので、座れなくて困っている人はいませんでした。

三階は、地域資料。
県ゆかりの作家のコーナーがありました。
相田みつを立松和平中村彰彦、首藤瓜於、などなど。
門井慶喜亀山郁夫関口尚のお三方は、サイン色紙も飾られていました。
作家に限らず、スポーツ選手なら江川卓ガッツ石松、芸能人なら酒井若菜つぶやきシローなども。
実に多彩です。

他にも、地元文芸誌、地元芸大の作る漫画誌、栃木方言の本などは、他所ではあまり見られません。

四階は文芸、芸術、人文などの公開資料。
ティーンズコーナーもありましたが、この日は若者の姿は皆無でした。

コロナ対策で、長時間の滞在はしないでください、というようなアナウンスがしきりに流れます。
一通り見たので、外に出て周辺を少し歩くことにしました。
すぐ横の県庁の前には、見事な芝生の広場。
どこか外国の政府機関でも見ているような気になりました。

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一瞬、ワシントンDCにいる気分に

街の中心に向かって少し行った先には、日光を始め北関東中心に点在する、二荒山神社の総本山が。
お参りしておこうと階段を上っていくと、結構な人で賑わっていました。

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街の中心部に立つ、二荒山神社の大鳥居
街と反対方向の山際には、蒲生神社の案内も出ていました。
ついでなのでこっちも階段を上ってお参り。
こちらは犬の散歩に来た人が一人いるだけで、参拝者はいませんでした。
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ひっそりとした蒲生神社
再び図書館に戻ってくると、先ほどは気付かなかったのですが、地下一階があるのを発見。
読書活動支援室との名で、絵本、児童書を置いていました。
地下と言いつつ、専用の入口から入れば地表と同じ高さで、窓もあります。
あくまでメインのエントランスを入った所を、基準の一階と定めたのでしょう。
実にラビリンスな図書館でした。

Wikipediaの情報によると、1946年開館で、現在の場所になったのは1971年。
その当時には、さぞかしモダンで斬新なデザインだったものと思われます。
ちなみに資料数は約70万点。内、視聴覚資料が6万点。
まさに、栃木県の知の殿堂です。

栃木県立図書館