母を京都駅まで送り、その後は宿を取った愛知県の小牧を目指します。
途中、関ヶ原辺りに寄ってみたい気もあったのですが、時間的に間に合いそうになくなってきたので、
明るい内に行けそうな、滋賀県立図書館に寄ることにしました。
名神高速の瀬田東IC、及び新名神の草津田上ICの近く、
龍谷大、滋賀医科大、立命館大などが集まり、隣には県立近代美術館もある文教地区です。
滋賀の県庁所在地は大津市ですが、京都に近過ぎるのか、地理的に端過ぎるのか、
県内の拠点を交通至便な草津市に置く会社も多いと聞きます。
その両市の境界付近、一応所在は大津市という、絶妙な立地でもあります。
高台にあるので、琵琶湖が一望できるかと期待していたのですが、
生憎それは叶いませんでした。
しかし、それを補って余りある、美しい景観が拝めました。
駐車場に車を停め、少し上っていくと、広大な日本庭園。
まだ11月に入ったばかりなのに、紅葉が見事です。
日本庭園を抜けると、続いて西洋風庭園。
図書館が見えて来ました。
ようやく正面玄関に到着。
結構歩きましたが、ここもご覧の通りの美しさ。心躍ります。
中に入ると、中央は広大な吹き抜けになっていました。
美術館のような造りです。
ここはホールになっていて、コンサートが開かれることもあるそうです。
奥には、庭を眺めながらソファで寛げる、新聞・雑誌コーナーがありました。
しかし置かれているのは週刊誌、車、スポーツ誌などで、種類も多くなく、
あまり県立図書館っぽくありません。
二階に上がると、ここにも雑誌コーナーがありました。
本体はこちらだったようで、実に4、500種類はあります。
(公式サイトには700誌と書いていました。。)
学術系、行政系の雑誌が多く、実に「県立」的。
滋賀県と友好提携しているという、中国湖南省の交換雑誌も40誌ほども置かれています。
滋賀県と言えば、もちろん琵琶湖。
提携先に”湖”南省が選ばれた理由は、聞くまでもありません。
一般書も、県立の名に恥じない豊富な蔵書。
コンピュータ関連の本も量、質とも充実しています。
私が去年仕事のために買った、マイナーな(と思っていた)本が置かれていて、ちょっとびっくり。
総記の所だけでなく、電気工学の所にも置かれていました。
大部分は英語ですが、洋書も豊富でした。
ハヤカワ文庫、創元推理文庫も異様なくらい揃えられています。
全巻あるのかもしれません。
郷土資料室も、さすが県立、と目を見張るものがありました。
「滋賀資料」のコーナーには、各種行政資料、報告書、各市議会議事録などがずらり。
また、中江藤樹なる江戸時代の陽明学者が、郷土の偉人らしく、彼を扱った本が多数ありました。
古い本が多く、昭和18年、19年といった戦前刊行のものまであります。
滋賀資料に負けない幅を占めているのが、「水資料」のコーナー。
やはり滋賀県、とことん琵琶湖頼り。。
治水、生物、釣り、など水に関するあらゆる分野の本が揃っています。
洋書もありました。
館内随所に塑像、陶芸などの芸術作品も置かれていて、
建築そのものや周囲の庭園とも相俟って、実にアート的な図書館。
我ながら、実に良いチョイスでした。
公式サイトで見つけた概要資料によると、
蔵書数は、約145万冊。中々聞くことのない数字です。
県立図書館の開設は、昭和18年。
。。ということは、中江藤樹の本は、最初の開設時に仕入れられたモノということか。。
現在の地に移転したのは昭和55年(1980年)とのこと。
40年も経っているとは思えない綺麗さでした。