図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

神奈川県立図書館(神奈川県 横浜市)

東横線に乗り換え、終点横浜駅で下車。
桜木町方面に歩いて向かいます。東急だけで行けた時代が懐かしい。

小高い丘になっている、掃部山(かもんやま)公園へ。
横浜開港に貢献した井伊直弼にあやかった公園とか。
大きな銅像が建っていました。

丘の上からは横浜の港が一望、と言いたいところですが、目前のビルに阻まれて眺めは今ひとつ。

この公園の横にあるのが、県立図書館。

最初に見えてきたのは、前川國男館。

しかし、、改修工事のため長期閉館中との掲示
宮前平に続き、またやってしまったかと思いましたが、
本館は別にありました。

玄関を入ると、左にはお洒落なカフェのような閲覧席。
と思ったら右には、本物のカフェ、猿田彦珈琲も入っていました。

関東大震災100年 神奈川県の被害と復興」なる特別展示をやっています。
新聞の号外、関連書籍、当時のベストセラー本などが置かれていました。
静かに記録フィルム上映も行われていました。

壁際には、升目に仕切られた黒い棚があり、「共に生きる」という企画展示をしていました。
多様性、人権、貧困などのテーマ別に本を集めています。

奥には公開書庫があり、ガラス越しに可動式の棚が並ぶのが見えます。
鍵を借りれば誰でも入れるようですが、とりあえずパス。

白亜の階段で二階へ。
階段の前は、新聞、雑誌コーナー。

大量にある参考図書類は、かなり古め。
10mはあろうかという幅の棚に、ゼンリンの住宅地図がずらりと並んでいます。
全国分かと思ったら、これでも神奈川県だけ。
同じ地区でも何年分も置いているようで、昭和のものまであります。
少し離れた所には、東京、埼玉の分もありました。

この階にも升目の棚があり、企画展示として、かながわ資料を置いています。
二宮金次郎前川國男などの本がありました。
建築家の前川氏は横浜出身というわけでも無いようですが、この地に多くの作品を残したからでしょうか。

静寂読書室、なる部屋がありました。
薄暗い部屋に、高級感ある肘掛け付きのチェア、各席に照明が付いています。

洋書は珍しく、言語の区別なく置かれています。
やはりほとんど英語ですが、時折中国語の本が。

三階に上がると、横浜階段の前はやはり雑誌コーナー。
リーディングラウンジ、屋外にオープンテラスがあります。
テラスはなぜか本日は利用不可。暑いからでしょうか。

続いて四階。
各種チラシ、パンフレット類が大量に置かれているのみで、本は見当たりません。
やはり閲覧席が多数。何故か床がオレンジ色。ここは話をして良いエリアのようで、四階全体が「学び、交流フロア」と名付けられています。

せっかくなので、公開書庫も見させてもらいます。
郷土資料を置いているという、二階の公開書庫へ。
すぐ傍にカウンターがあり、簡単にカート式の鍵を借りられました。
中の棚は電動の可動式。神奈川県に関する新旧の膨大な資料が置かれています。
通路が開き、入ろうとすると灯りも自動点灯。

自然科学の本が無い、と思ったら、県立川崎図書館の方に置いているとのこと。
ここは、社会・人文系リサーチ・ライブラリーなる副名もあるようです。
2つの図書館で分担し合っている仕組みは、埼玉県立(熊谷久喜)と同じです。

旧館に当たる前川國男館は1954年の開館ですが、本館は2022年に出来たばかり。
蔵書数は約95万冊。
誰でも入れる書庫に膨大な蔵書を抱えるものの、開架の本はさほど多くはなく、
県立図書館としては珍しく、快適性、ファッション性を重視している印象。
人を集まる場所を作る、ということに主眼を置いているのかも。

桜木町駅からは、紅葉坂を上って徒歩10分ほど。

実に趣きのあるエリアです。

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