図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

所沢市立所沢図書館 本館(埼玉県)

2月とは思えない20℃超えの陽気に誘われ、所沢の航空公園へ行くことにしました。
車を走らせていると、沿道に中富民俗資料館なる案内看板を発見。
何度も通っている道ですが、今まで気に留めたこともありませんでした。
スマホで調べると、月に4日、
第1土曜日と第3日曜日と第2・第4金曜日しか開いていないとのこと。
この日は幸運にも第3日曜日。入場無料のようだし、これは行ってみなくては!
元々寄るつもりだった近くのショッピングセンターに車を停め、歩いて向かいました。
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懐かしの丸ポストを正面に据える資料館の中は、
昔の農具、家具などが雑然と並べられています。
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嘗てはこの辺りで養蚕が盛んだったというのは初耳でした。
車や電気製品もあり、「三丁目の夕日」のような昭和レトロが味わえます。
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人形については江戸時代のものも。
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ボランティアガイドのご老人によると、ニュータウン開発で処分されそうになった、
近隣の農家の蔵にあった品々を集めたとのこと。
学校からの見学は多かったそうですが、コロナ禍ですっかり途絶え、閑古鳥が鳴いているようです。
展示品も資料館自体も、素朴で飾らないものですが、なかなか見応えある穴場スポットでした。

お次は航空公園へ。
一番手前の、北口の駐車場に停めようとすると、何台かが駐車待ち。
車列がなかなか進まないので、諦めて少し先の駐車場へ。
するとこちらも車の列が、、、先ほどの5倍くらい続いています。
到底並ぶ気になれず、反対側の南口の駐車場に賭けることに。
北側よりは空いているイメージでしたが、、、やはりこちらも駐車待ちの列。。
結局最初の所が一番早かったか、と思ったものの、これ以上移動する気にもなれず、諦めて並びます。
時刻はもう3時半。来る人より帰る人の多い時間帯なので、数分の待ちで入ることができました。

この陽気で考えることは皆同じなのか、園内は子供連れを中心に大いに賑わっていました。
お目当ての梅林は、南口の近く。
赤、白、桃と色とりどりの梅が見頃を迎えています。
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日本の航空発祥の地とされるここ。
園内には見応えある博物館もあるのですが、コロナのため臨時休館中でした。

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C-46が飾られる公園内

ここに来たら、当然寄らなくてはいけないのが、園内にある所沢図書館本館。
何度か訪れたことがありますが、最後に来た時は臨時休館中でした。
今日は開いていることを確認済みだったのですが、
近くまで来てみると、工事中の幕で覆われています。
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嫌な予感を抱きつつ、玄関のある反対側に回ると、こちらも同じ状態。
ですが、こう見えても無事開館していました。
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本来は煉瓦貼り風の外壁は、幕と鉄パイプのせいでよく見えませんでしたが、
館内の壁も煉瓦貼り風でした。
見るからに、年季が入っていそうです。

入ってすぐの所には、新聞の閲覧室。ビジネス関連図書もここにあります。
一階は基本的には児童書ですが、
医療に関する本もここにあります。

中央の階段で二階へ。
採光窓の付く天井は高く、まだ上に階がありそうですが、階段はここまで。

「リーダーたち」なる特集展示があり、
レーニンプーチンカストロ文在寅渋沢栄一などの本が並べられていました。

雰囲気に相応しく、古めかしい全集類が豊富ですが、
よく見ると抜けている巻が多数。
以前、新所沢図書館で学んだ通り、他館と分散所蔵しているようです。

文庫本はかなり多く、実に16面を占めています。
概算で1万冊近くあるのではないでしょうか。

雑誌の数もかなり多め。163誌あるとのこと。
航空関係の雑誌が3誌。
航空ファン」「エアライン」に加え、「航空管制」なる珍しい雑誌が置いてあるのは当館ならでは。

「航空・宇宙工学」の本も充実しているかと思って見てみると、百冊足らず。
車や鉄道の本より多いので、他館よりは多めということでしょうか。
その後、「航空運送」のコーナーにも同じくらい本が置いてあるのを見つけたので、やはりそこそこ充実していると言えそう。

地図、ガイドブックの品揃えは、ちょっと寂し目。
地球の歩き方」はシリーズ全巻の半分も置いていません。

郷土資料は無く、歴史のコーナーに混ざって少々あるのみでした。
歴史のありそうな図書館にしてはちょっと物足りないな、と思いつつ、
帰り際にふと館内案内図を見ると、三階もあることが判明。
トイレ脇の目立たない階段を上っていくと、三階がありました。

小さな学習机が大量に並ぶ、立派な参考図書室があります。
荷物はロッカーに入れ、奥に進むと、重厚な書物が大量に置かれていました。
「廣文庫」「群書類従」「続群書類従」「続々群書類従」「国史大系」「寛政重修諸家譜」など、
あまり余所では見かけない古文書がずらり。
勿論原書ではなく、後年の出版物ですが。

郷土資料もたっぷり。
川越舟運、狭山事件西武ライオンズなどの本があります。
しかし、所沢の航空史に関する本は見当たりませんでした。
所沢出身の作家のコーナーもありましたが、あいにく知らない人ばかり。
唯一知っていたのが、将棋棋士羽生善治氏。国民栄誉賞も受賞した歴代最強棋士は、ここ所沢出身なのでした。
所沢が舞台とされる、となりのトトロの絵コンテ集もありました。

廊下を反対側に進んだ先には、ひっそりとリサイクル本の棚が。
なぜこんな誰も通らないような所に設置しているのか、謎ですが。

ハード、ソフトとも貫禄たっぷりだったこの図書館、開館は1980年。
蔵書数は、一般書は約20万冊。児童書が9万、参考図書が2.7万、郷土資料が1.7万とのこと。
視聴覚資料はありませんでした。

図書館を出て、再び公園内を散策していると、蝋梅園があり、目立たない黄色い花を咲かせていました。
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蝋梅とは、背の低い梅なのかと思ったら、梅というのは名ばかりでバラの仲間のようです。

所々、椿も咲いています。
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思えば、伊豆大島で椿園を堪能したのはちょうど1年前。
既に旅行が自由にできなくなりそうな空気が忍び寄っていましたが、まさか1年経ってもこの有様とは、
あの頃は想像できませんでした。

所沢図書館 本館