図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

小鹿野町立図書館(埼玉県)

長かったゴールデンウィークも、残り2日。
最初で最後の日帰りツーリングに出掛けることにしました。
一応、県境を跨ぐ移動を避ける、というのは守ることにしているのですが、
遠くに行きたいという思いも抑え切れず。埼玉県の最果て、奥秩父を目指します。

秩父の街まで、約2時間。
思ったより道は空いていました。

秩父の街を抜け、西の丘の上にあるミューズパークへ。
ここは秩父市ではなく、お隣の小鹿野町
子供連れを中心に、そこそこの人出です。

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ミューズパークから秩父市街を一望

更に西へ。小鹿野町の中心部に向かいます。
どちらかと言うと、観光地では鬼っ子扱いされがちなバイクですが、
ここ小鹿野町は、バイカーを歓迎して町おこしの核にしている、ありがたい町。

途中、恐竜の化石産出地、という案内表示に惹かれ、般若の丘公園へ。
ここには嘗て町営温泉施設があったのですが、それが潰れてバイクの森という施設になり、その後それも閉鎖。
しかし、駐車場はバイクで溢れていました。
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一体何をしに来ているのでしょうか。。人のことは言えませんが。

太古の昔は海だったこの地で、チチブサワラなる魚の化石が発掘されたそうで、その像が立っていました。
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更には、パレオパラドキシアなる奇獣も。ユーモラスな復元像です。
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バイクの森の跡は、バイク弁当を名物にするレストランになっていました。
そしてロビーには、アライヘルメットミュージアムがありました。
これは、つい先日オープンしたばかりのようです。
イカーが集っていることにも納得。
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バイク弁当は気になりましたが、待ち行列が出来ていたので、泣く泣くパス。

昔ながらの素朴な街並みの残る、小鹿野の町に入ってきました。
人がほとんど歩いていない割に営業している店が多く、商店街はなかなか頑張っています。
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無料の町営駐車場が随所にありますが、バイク用ブースがしっかり確保されています。

この町には、わらじサイズのとんかつで有名な、安田屋があります。
有名な店なので混んでいるかと思ったら、意外にそうでも無かったので、ここで昼食にしました。
無名だった(と思われる)頃にも来たことがありますが、飾らない雰囲気は全然変わりません。
入っているお客さんは、皆バイカー風。

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ボリューム満点のわらじカツ丼

そもそも小鹿野町にバイカーが集まるようになったのは、
この店がツーリングマップルに載っていたことがきっかけでは無いか、と私は睨んでいます。

ここ小鹿野町にも図書館があります。
しかし小鹿野の町中では無く、2005年に合併した旧両神村にあるようです。
小鹿野町にも分館があるみたいですが、中学校の図書室を兼ねているようで、あいにく土日はお休み。
これはこれで気になるので、またいつか平日に来なくては。

3㎞ほど走り、両神ふるさと総合会館に到着。
ここに図書館があるようです。
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よく見ると、両神の後に「村」の字の痕跡が。合併して小鹿野町になったので外したのでしょう。
中に入ると、自動の検温機と、消毒液噴出器。コロナ対策はしっかりしています。
階段で二階に上がります。
「竹内いし女 褒賞」なる額が掲げられていました。
医師の元で働き、その稼ぎを全て両親と医療に捧げたことで、明治の7大孝子の一人とされ教科書にも載ったとか。

図書室内に入ると、
カウンターの向かいに、ジブリの森から来たという、トトロのぬいぐるみがドンと置かれていました。
その左は、絨毯敷きの子供コーナー。
右は一般書かと思えば、こちらにも児童書が多数ありました。

小さな図書館ですが、目を引いたのは、漫画本が妙に充実していること。
名探偵コナン」「ワンピース」「ドラゴンボール」「SLAM DUNK」などの人気作は勿論、
ヤマノススメ」「ゆるキャン」など、自然溢れる当地ならでは?のものも。
釣りキチ三平」はDVDも置いていました。
埼玉が舞台という「らきすた」、
今話題の「エヴァンゲリオン」「ガンダム」の漫画版までありました。 

そしてなんと、野球漫画専用の棚が別にあり、
そちらには「タッチ」「ドカベン」「ダイヤのA」などが置かれています。

文庫とノベルズは一緒になっていました。
司馬遼太郎池波正太郎佐伯泰英など、時代小説が多めです。
しかしよく見ると、、文庫の棚にも漫画が!
うる星やつら」「キン肉マン」など、懐かしい作品が。
鋼の錬金術師」など、大判もありました。
その時歴史が動いた」の漫画版は初めて見ました。
恐るべし漫画天国。2千冊はあるのではないでしょうか。

郷土資料も、なかなか充実しています。
秩父についての本、俳人金子兜太の本が多数。
晩年を過ごしたという、熊谷の図書館でも特集されていましたが、育ちは秩父とのことでした。
また、小鹿野は町民の手による歌舞伎で名高い町。歌舞伎についての本が多数あります。
秩父事件についての本も揃っています。

CD、DVDも規模の割には多めです。
CDの棚には、アーティスト名の仕切り板が入っていました。
比較的新しめのものが多く、「あいみょん」「ももいろクローバーZ」なども。

漫画、視聴覚資料が豊富な分、一般書は全体的に寂しめ。
しかし、想像される通り、競争率も低いようで、
アルルカンの道化師」「オルタネート」「推し、燃ゆ」など、
都市部の図書館では予約待ち必至の新しい本が、普通に書棚に置かれていました。

蔵書数は約6万5千点。
平成9年(1997年)に、旧両神村の村立図書館として開館した模様。
村立図書館だったと思えば、かなり立派な部類でしょう。

しかし、立地の辺鄙さも相当な部類でしょう。
右隣は交番、左隣は郵便局。
近くには、現在は支所の旧村役場もあるので、この辺りが村の中心地だと思われますが、
商店は郵便局の隣のヤマザキパンくらいで、まるで賑わいはありません。

その分、自然には溢れています。
小森川の清流もすぐ近く。
天然の藤の花が綺麗でした。
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町立図書館 | 小鹿野町