図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

蕨市立図書館本館(埼玉県)

川口の街を出て、帰路に就きました。
まだ夕暮れまでは時間があるので、どこか寄り道しようかと考えつつ適当に車を走らせていると、
沿道に蕨市立図書館が出現。

予定外でしたが、目の前に現れると寄っていかない訳にもいかず。。
車を停め、中に入ってみます。

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入口

ちょっと古さが滲む館内は、一昔前のオーソドックスな図書館、という感じ。
猛暑の中、涼みに来た人が多いのか、賑わっています。
ニ階まで吹き抜けになっており、開放的。

入ってすぐの所では、蕨を舞台にした女子サッカーの漫画「さよなら私のクラマー」が紹介されていました。
蕨市さいたま市川口市という大都市に挟まれた、日本一面積の小さな市。
なぜこの町に目を付けたのかは分かりませんが、
それにしても最近、漫画やアニメで町興しをしようとする所が増えています。

カウンターが正面で、右手は児童書のエリア。
カウンター前はCDコーナーで、品数はなかなか。
朗読もの、語学CDなども置いています。
その横には、ラノベの文庫本の回転棚が4つも並んでいます。
映像資料は無いな、と思ったら、児童書エリアの入口にありました。
ドキュメンタリー系が多く、映画は少なめ。

旅のコーナーが、大きな棚を1つ占めていました。
旅行書の他、鉄道関係の本もここにあります。
五木寛之の「百寺巡礼」シリーズも。

雑誌コーナーは、よくある縦置きのマガジンラックに加え、窓際のやや傾斜した平板の上にも陳列され、百誌超はありそう。
空調が無いわけでは無いですが、窓際で暑くなるためか、扇風機3台がフル稼働。
その内の1台が、今はなきサンヨー製の、4、50年は経っていそうな実に古い型でした。

岩波文庫東洋文庫の専門コーナーもありました。
古びた本が多く、見ると1960年代刊行の物も。
中公新書岩波新書の棚もあります。
ここに限らず、全体的に古い本が多いように見受けられました。
その傾向を反映してか、コンピュータの本は少なめ。

中央の階段を上がると、二階は参考図書室、学習室。
広い参考図書室には辞典、辞書類がずらり。
その横に繋がる郷土資料室も資料は豊富そうでしたが、電気も点いておらず、無人でした。

蕨市と言えば、成人式の発祥の地と聞いたことがあります。
それ関連のコーナーがどこかにあるかなと思いましたが、見当たりません。
検索機で調べようと思い、検索機を探すも、、それも見当たらない。
まさか検索機が無いことはあるまい、と館内くまなく探すと、
カウンターの児童書寄りの所に発見。
しかし子供が群がっていたので、やむなくスマホから公式サイトで調べたところ、
やはりそういった資料はあまり無さそうでした。
蔵書数は約17万冊とのこと。

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左にある銀色のオブジェ。よく見ると。。

外には館名を記した銀色の三角看板が立っていましたが、よく見ると下の方に「1979」の文字が。
開館は今から42年前、ということのようです。
もっと古い本が多くあったことから分かるように、別の場所から移転してきたようで、
初代は1965年開館の模様。
果たして、あの扇風機はいつから使われているのでしょうか。

この周辺はJR蕨駅西川口駅の間の、住宅街。
お隣は星乃珈琲店、その隣は石窯パン工房、更に先にはむさしの森珈琲、道を渡るとマクドナルド、と
喫茶スポットがやたらと集まっています。
(ここの石窯…は喫茶サービスはやっていないかも)

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図書館のある県道

せっかくなので、蕨の観光スポットを調べて行ってみます。
北西1kmほどの所にある、和楽備(わらび)神社へ。
なかなか立派な神社なので、さぞかし由緒があるかと思いきや、
明治の末期に出来たという比較的新しいものでした。
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御手水の代わりに、アルコール消毒液が。。
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伝統と実利のせめぎ合い。何とも形容し難い思いになります。

隣は市民会館ですが、その間に蕨城跡の碑が立っています。
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南北朝時代に建てられ、戦国の頃には廃されたということなので、ほぼ痕跡は残っていません。
しかし、とりたてて印象の無かったこの街も、歴史を知ることで少し身近に感じられるようになりました。

施設案内 図書館(本館)|蕨市公式ウェブサイト