今週、新型コロナに対する緊急事態宣言は、全国的に解除となりました。
図書館は美術館、博物館等と共に、真っ先に営業自粛が解除されたはずなのですが、
ここ埼玉県では、通常営業に戻った所はまだほとんどありません。
予約資料の貸出だけを始めており、本格的に再開するのは6月1日から、という所が多いようです。
同じ状況でも、閉館しているけど一部サービスは実施、と謳っている所と、
開館しているけど一部サービスのみ、と謳っている所に対応が分かれているのが面白いです。
ただし私の調べた範囲では、埼玉県西部でほぼ通常通り開館していそうな町が一つだけありました。
それが、比企郡の鳩山町。
ちょうど越生の方に行きたい用事もあったので、その通り道に寄ってみることにしました。
埼玉にかれこれ20年以上住んでおり、周りの越生町や嵐山町、ときがわ町には何度も行っているのですが、
実は鳩山町には行った覚えがほとんどありません。
カーナビを頼りに、坂戸の方から田舎道をくねくね北に進むと、突如として小綺麗な住宅地に入り込みました。
豪邸、とまでは言いませんが、結構立派な家が建ち並んでいます。
鉄道も通わない山間の田舎町に、こんな団地があるとは予想外。
この鳩山ニュータウンを抜ける手前、北側の町はずれに図書館がありました。前述の通り、このエリアでは唯一まともに開いている図書館なので、
もしかしたら県西の図書館マニアが集結して大混雑しているのでは?
という懸念もあったのですが、それが全くの杞憂であったことは、到着してすぐに分かりました。
駐車場はほぼ空っぽ。
中に入ってみると、照明は暗く、人の気配に乏しく、カウンターは最近はすっかり定番となった、
ビニールのシートでガードされています。
本当に入っても大丈夫か?という雰囲気でしたが、そのまま館内を回ってみます。
館内は緩い扇型になっており、奥までは見通せない構造。
3人いたスタッフより少ない数ながら、奥にはお客さんもいるにはいました。
しかし平日の真昼間だったとは言え、予想外の閑散ぶり。
近所の図書館がいざ再開しても、こんな感じになるのでしょうか。。?
ここは初訪問なので、普段の状況がどうかは知る由もないのですが、
田舎の小さな町なので、元々人は少ないのかもしれません。
入口付近は吹き抜けになっています。
二階には会議室などがあるようですが、上に向かう階段は封鎖されていました。
外光が眩しすぎるのか、カウンターの上にはすだれで屋根が作られていました。
書棚の本は手に取って閲覧できるのですが、
椅子は全て撤去、AV再生機器は使用禁止、最新の新聞・雑誌は非公開、
という、コロナ禍の最近の図書館では見慣れた光景が展開されています。
元々そのつもりは無かったですが、到底長居をする気にはなれない空気。
新しそうな図書館ですが、
古めの文学全集なども目立ち、歴史は結構あるのかもしれません。
洋書も意外に揃っており、数百冊はあります。
柱には古風な振り子時計が。
地元の建設業協会の寄付のようで、よく見ると古いものではなさそうでした。
入口の方を振り返ると、壁に「読書三到」と記した書が飾られていました。
恥ずかしながら知りませんでしたが、読書に大切な三つの心得を表す四字熟語だそうです。
政界の超名門、鳩山家の誰かの揮毫か!?と思いましたが、平本某との署名らしきものが読めたので、
違うようです。
というのも、鳩山町役場には、鳩山一郎の書いた「友愛」の書が飾られている、という話を
Wikipediaで見ていたから。
昔、この辺り出身のある人に、鳩山町は鳩山家のルーツだと聞いたことがあったのですが、
どうやらデマだったようで、たまたま同じ名前だった、という程度の縁しか確認できませんでした。
AV資料コーナーにはCD、DVDの他に、カセットテープが並んでいる!?
が、よく見たら、映画のタイトル。
もしかして8mmテープ?
と思いましたが、どうやらVHSのケースの縮小コピーのようです。
中身は別の所に保管しているので、省スペース化のためミニチュアにしたようです。
10年前の情報によると、蔵書数は約12万冊。AV資料は約6千点。
町立図書館としては、標準的なところでしょうか。
その後、梅園で名高い越生の町で、梅の実を買ったりして、
帰りがけに車を止めた所が、たまたま越生町立図書館の前でした。こちらも休館中の扱いで、予約資料の受け取りのみを行っているようですが、
受取は玄関口で行い、館内には入れないという徹底ぶり。
もしかして開館/閉館の境界線は、中に入れるかどうか?
玄関脇にはリサイクル本の棚があったので、ありがたく頂戴していきました。