図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

越生町立図書館(埼玉県)

毎年の恒例行事となってきた、越生での梅の実買い。
2020年2021年2022年に続き、今年もやって来ました。

梅フェアの臨時駐車場があったので、何かやっているのかと思ったら、何も見当たらず。どうやら開催は翌日の日曜日のみの模様。

今年も梅の駅で買物。
太田道灌大河ドラマの主人公に!という運動があるようで、署名の紙が置かれていました。江戸城川越城の築城で知られる道灌が、越生の出身とは知りませんでした。
一昨年の大河ドラマ「青天を衝け」で名を上げた、渋沢平九郎のグッズも売っています。肖像写真のクリアファイルを見ると、なかなかの好男子。平九郎自刃の地が、越生の山の奥にあるようです。

ここは毎年ではありませんが、梅を買ったついでによく足を伸ばす、あじさい山公園。

正直、近年はがっかりすることが多かったのですが、今年も満開には遠い状況。
木を植え替えたのか、網で囲まれた木々はそもそもあまり育っていません。それなりに見物客は来ているのですが。
トイレの前の木だけが妙に綺麗でした。

しかし、今年はお楽しみが残っています。それは、越生町立図書館。
過去3年、新型コロナの影響で休館、もしくは町民のみ、もしくは利用証所有者のみ、と入館制限が続いていたのですが、今年はようやく誰でも入れるように。
4年越しの悲願がようやく叶いました。と言うのは大袈裟ですが。

玄関を入ると、正面はカウンター。
カウンターまでの間は、右にはCD、DVDが置かれています。
木の棚、スチール棚、回転棚と色々な種類の棚に並べられています。
左には太田道灌、渋沢平九郎など、越生ゆかりの人の本のコーナーが。

右手は児童書エリア、と思ったらCD、DVDの棚の裏は、またCDが置かれていました。背表紙が見事に色褪せていますが。
子供向けDVDもありました。
奥には、絨毯敷きのおはなしコーナーも見えます。

左手は一般書エリア。
その中にもDVDの回転棚があります。
更には、新書の棚の上にもDVDが置かれており、全部合わせれば結構な数になります。

トイレや閉架書庫に向かう薄暗い通路に、郷土資料のコーナーがありました。「越生・埼玉に関する本」の棚は、前後二段で、前の段は左右にスライドする方式。図書館の棚でこのタイプは、かなり珍しいような。
その右横の棚も郷土資料。こちらは普通の木の棚。と言っても、普通ではないくらい年季が入っていますが。

左隣には、日本近代文学館編の「名著復刻全集」の棚が。
復刻と言っても出版から既に4、50年経っており、再び古典化しつつありますが。

文芸書は、窓際と奥の2ヶ所に分かれている、と思ったら、壁伝いにコの字型に配置されているようです。これも少々珍しい。
文庫本は、回転棚4つに収められています。回転棚にも作家名の見出し板が挿されています。これも珍しいかも。
寄贈図書、海外作家の文庫は、別の棚にありました。

コンピュータの本は百冊足らず。
雑誌は30誌ほど。
旅行ガイドは、国内はそれなりにありますが、海外はかなり少なめ。「地球の歩き方」は見当たりません。

よく見ると、本棚の本の上に、本が横置きされていたりします。収まりきらないので苦肉の策なのでしょうか。これも珍しい。

存在に気づかない人も多そうですが、二階もあります。
階段で上がると、人っ子一人いませんが、ロビーには新書の詰まった回転棚が6つも。
岩波文庫の棚もありました。
そして、閲覧室が2つ。
第1閲覧室には、参考図書類、埼玉県史、近隣の市町村史など、第2閲覧室には文学全集や画集、写真集が置かれていました。
資料研究室なる部屋もありますが、扉は閉ざされていました。

緑陰読書スペース、なるオープンテラスも用意されています。誰もいませんでしたが。

3年前に初めて外観を見た時は、関東平野の端の小さな町の古びた図書館、という印象でしか無かったのですが、
その実は、歴史と伝統というものを強く感じさせる、気骨ある図書館でした。
創設は1978年、現在の施設は1985年開館とのこと。もっと経っているかと思いました。
蔵書数は約8万冊。

図書館全景

大きな駐車場の周りには図書館だけでなく、町役場、公民館、保健センターなどが建ち、町の行政の中心。
背後には山が迫っています。

越生町立図書館/越生町ホームページ