図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

豊橋市中央図書館(愛知県)

一日置いただけで、また愛知県にやって来ました。
今回は新幹線。2日前は車で何時間もかけて移動したのに、今度はあっという間に到着。
目的地は安城ですが、あえて豊橋で新幹線を降り、途中下車。

豊橋駅西口

豊橋駅の周りには、図書館が2つあります。
この日は時間に余裕があるので、近い方はいつかの機会に取っておくことにして、あえて遠い方を訪ねることにしました。
駅西口から、徒歩20分ほど。思っていたより遠かった。。
地味な住宅地の中に、唐突に大きな図書館が現れました。

駐車場には料金徴収機がありますが、無料開放されている模様。

玄関を入ると、奥に向かって広大な空間が広がっています。
児童室は入口脇の右手に、半独立。
左手は200誌ほどの雑誌コーナー。吹き抜けになっており、大きな壁画があります。

田原市と共同で、みんなでつくる本の街、なるイベントをやっているようです。
ここは撮影OK。

両市にゆかりのある各市22組の「おすすめ本の本棚」を館内に展示しています。

名のある人では、松井玲奈金原瑞人など。
元アイドル、作家でもある松井さんは、千早茜糸井重里など、
翻訳家、書評家の金原氏は西遊記三島由紀夫などを紹介。
豊橋市住みます芸人の吉村憲二氏は松本人志又吉直樹など先輩芸人の本を薦めていました。
ガラスケースの中に、今年の大ヒットドラマ「VIVANT」ノベライズ本がありました。福澤克雄監督のサイン入り。
福澤氏は色んな作品で、豊橋でロケを行っており、講演も行った縁のようです。

館内には、何枚も絵画が掲げられています。
広大なフロアの最奥には、旅行ガイド、コミックなどが。
やはりここも手塚治虫強し。

外国語コーナーもありました。
絵本、日本語学習の本に、薄い本が大量に並ぶ多読コーナーも。
英語の本は分野別で、他はポルトガル文学、その他文学だけが分けられています。
湖西に続き、ここもブラジル人労働者が多いのでしょう。
絵本はタガログ語、フィリピン語、ベトナム語なども。
CD付きの本もあります。

隣はティーンズルーム。「Myojo」「Animate」などの雑誌も。

コンピューター関連書籍も膨大。それなりに専門的な本も混ざっています。
窓際にはCD、DVDが。
DVDはNHK番組が多め。講談社の「昭和ニッポン」なる見慣れないシリーズもありました。

中央にある階段でニ階へ。
二階は新聞、参考図書、郷土資料など。
国学者、羽田野敬雄の大きな紹介コーナーがありました。

展示コーナーでは、「食育の父 村井弦斎」の展示をしていました。
食育は、最近できた言葉かと思いきや、明治時代から用いられていたとか。
村井氏は、「食道楽」なる小説が大ベストセラーになったとか。
父が渋沢栄一の家庭教師で、渋沢の別邸に住んでいたこともあるとか。

奥は、司文庫なるエリア。
豊橋出身、丸善の元社長の司忠氏の寄贈書とのこと。
膨大な数の洋書があります。
画集、写真集、絵本が特に多いですが、分野も言語も実に多岐に渡っています。
開設はこの図書館より古い1974年。1986年に司氏が亡くなった後も更新されているようで、古い本だけでなくハリー・ポッターの原書などもありました。
世界の教科書も収集されています。
アジア、欧州、中南米など、古今東西の教科書がずらり。
千葉の御宿にもこのような図書館があり、唯一無二かと思っていたら、早くも翌年にここを見つけてしまいました。

郷土資料も膨大。分野別になっています。
「だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!」なる御当地まんがも。

二階の扉前には詩人、丸山薫展示コーナーもありました。
丸山氏の愛用の時計、筆、眼鏡などがガラスケースに入っています。
車庫内にも色々寄贈文庫があるようで、管理する方も大変そう。

三階は学習室、集会室、書庫。
ベランダもありました。あいにく雨が降り始め、寛ぐ気にはなれませんでしたが。

開館は1983年。
蔵書数は、司文庫3.5万冊を含め、堂々の約69.5万冊。
三河を代表する都市の、実に貫禄ある中央図書館でした。

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