図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

稲城市立iプラザ図書館(東京都)

日野の図書館を5時に出ました。
お隣の多摩市の図書館にも行こうと思っていたのですが、こちらも5時までなので、手遅れ。
更にお隣の稲城市の図書館は8時までやっているようなので、そちらに行ってみます。
ちょこちょこと寄り道した後、やって来たのは、一番近くにある、iプラザ図書館。
京王相模原線若葉台駅の前です。
バイクの駐輪場があるか心配でしたが、ちゃんとありました。

若葉台駅は正直、全く聞いたことのない駅でしたが、周辺のビルはどれもピカピカ。
駅の開業は1988年とのことで、それなりに経っているみたいですが。

若葉台駅

階段を上って行くと、やはりピカピカの商業施設が点在する町がありました。
周囲にはノジマ、ヤマダ、ケーズと、大型家電店が揃い踏み。
なんと、テレビ朝日もありました。若葉台メディアセンターだそうです。

図書館のあるiプラザへ。
これもピカピカです。

図書館入口

壁は白と緑で、床の絨毯もベージュと緑。
窓に架かるシェードは、白、薄緑、黄緑の3色。
各所に置かれた立方体のスツールもカラフルで、とてもお洒落なインテリア。

入口付近には、作家さんらしきサイン色紙が9枚飾られていました。
川口俊和きむらゆういちいしかわこうじ、友井羊、やましたみき、上坂浩光、井上ジェット、その他判読不能な人が2人。
川口氏は「コーヒーが冷めないうちに」の作者と分かりましたが、他の人は正直分かりません。
ひらがなの名前の人は、イラストも描かれているので、漫画家と推察。
しかし、近くにあったコミックの棚には彼らの本は見当たりません。
置かれているのは、定番の手塚治虫の他、「バガボンド」「ヒカルの碁」「おそ松くん」等々。
検索機で探してみると、彼らはどうやら絵本、児童文学作家のようです。

CD、DVDもありました。
書架に入りきらないものが、本棚の上に並んでいます。
雑誌は百誌ほど。

地域資料は、行政資料が多め。
「多摩のあゆみ」「多摩ニュータウン研究」など、地域ならではの資料があります。後者は、多摩ニュータウン学会なる団体が発行する学術誌。よくネタが尽きないものです。
近隣市の広報誌や、日野市立図書館の館報もありました。

新書、文庫はなかなか豊富。
友井羊さんの本はここにありました。

コンピュータの本は少ないながら、専門的なものも少しあります。
地図コーナーもありました。都内各区市の紙地図、住宅地図に、山と高原地図も。

この、新しい街の新しい図書館は、2009年の開館。
蔵書数は6年前の情報で、約6.5万冊。視聴覚資料は3千点。
閉館間際まで、それなりに人で賑わっていました。

周りを走っている車に川崎ナンバーが多いと思ったら、ちょうどこの辺りが県境だったようで、
図書館は東京都ですが、道路を挟んだ駅は神奈川県川崎市でした。

駅への陸橋から。撮影地点は神奈川県だったかも

iプラザ図書館 - 稲城市立図書館

日野市立中央図書館(東京都)

日野の街で見ておきたい所として、残るは土方歳三記念館と中央図書館。
いずれも午後5時までですが、時刻は既に3時半。
どちらも少々遠いので、バイクを停めた市役所に一旦戻り、バイクを出します。
両方は回れないかもしれないので、どちらを優先するか迷いましたが、
土方歳三記念館は今秋閉鎖されてしまうという話なので、そちらに行くことにしました。
想像以上に遠く、本陣のある辺りとは別の街です。
普通の住宅地の中の、普通の住宅でした。しかし、入場待ちの人で大行列。。

聞くと、2時半にはもう入場を締め切ったとのこと。今並んでいる人は、1時間半も並んでいるということ。。
この日の入場は諦めざるを得ず。またいつか来なくては。。開館日も限られているので、この様子だと、閉館までに入れる日が来るか分かりませんが。

せっかくここまで来たので、近くの石田寺に行ってみました。

歳三の墓にお参り。

その後は、訪問を諦めかけていた中央図書館へ向かいました。

日野は、図書館好きにとって、或いは図書館関係者にとって聖地とも言うべき街。私が前々から日野に来たかった最大の理由は、新選組ではなくこれでした。
滋賀県立図書館に行った後、近所の図書館で見つけた本で、図書館界のカリスマとも言うべき前川恒雄なる人物を知り、更に彼の著作「移動図書館ひまわり号」を読んで、図書館業界で日野市が果たした功績の大きさを知りました。
簡単に言えば、館長として迎えられた前川によって、資料を置いているだけのつまらない所から、人の集まる面白い所への転換が図られた、ということでしょうか。
映画やアニメにもなった小説「図書館戦争」でも、「日野の悪夢」なる歴史的事件の舞台として描かれています。
作者も、日本の図書館史に於ける日野の重要性を知っていたのでしょう。

場所は、日野駅の隣の豊田駅の近く。石田寺からは4㎞ほども離れています。
案内看板もなく、大きな施設など無さそうな住宅街の中を進んで行きます。
道を間違えたかと不安になった頃、唐突に出現しました。煉瓦造り風の、貫禄ある建物。
この日は土曜日。閉館の5時まで、残り30分ほど(平日は7時まで)。急いで入ります。

木製の本棚は、下部が斜めの三角フラスコ型。
やはり木製のタイルの床は、かなりくたびれています。
窓側半分は二階まで吹き抜けになっており、大きな窓には、バードセーバーと称する鳥の絵が貼られています。
鳥がガラスに気付かずぶつかるのを防ぐもののようです。
ガラスの向こうは緑の庭。気持ちよく読書ができます。

壁際の本棚は、天井まで届く高さ。
上部には、手に取る人の少なそうな、古い文学全集が置かれています。

コンピュータの本は、総記ではなく電気工学の所にありました。
WordやExcelの本は、簿記のコーナーにもありました。

二階のレファレンス室は、圧巻の広さ。
辞書、辞典類が大量にあります。
満州、朝鮮の巨大な地図帳も置いています。
教科書も置いており、明治時代の尋常小学校、高等小学校のものもありました。五倫文庫と違い、複製のようですが。

市政資料、郷土資料はカウンターの裏の部屋でした。バックヤードのようですが、自由に出入り可。
図書館界」「図書館雑誌」「専門図書館」「現代の図書館」「学校図書館」「みんなの図書館」「ず・ぼん」など、図書館に関する見慣れぬ雑誌が多数。
さすが、図書館の聖地、日野!

カウンターには「日野と新選組」の小コーナーが設けられていました。
「全隊士徹底ガイド」なる本も。

開館は1973年。中は少々くたびれていましたが、威厳ある外観は古さを感じさせません。
出来た当時は、さぞかしモダンな存在だったことでしょう。
蔵書数は32.9万冊と、その歴史に恥じぬ立派な数字。

庭に出る扉が開いていたので、出てみました。

庭から

庭の片隅には、社があります。

庭の向こうは崖になっていて、町が見下ろせます。

階段を下りると、「八幡宮」と書かれた鳥居がありました。
気付けば5時を過ぎて、図書館は閉まってしまいましたが、神社へのお参りは時間に関係なく出来るようです。

鳥居の脇には、東京の名湧水57選にも選ばれたという、湧水が。
その名もズバリ「中央図書館下湧水」。

名水でありながら、「飲料としての使用はお止めください」とのこと。。
水質の保証が無いだけで、決して害があるわけでは無いと思いますが。

中央図書館|日野市立図書館

日野市立日野図書館(東京都)

日野市役所から市街へ歩きます。
途中、中央自動車道の上を渡ります。

高速道路が住宅街を貫く光景は、ちょっと珍しい。
恐らく住宅の方が後から出来たのだと思いますが。

日野市は起伏が多く、坂の上から日野駅周辺が一望できました。

町の中心部に入り、訪れたのは八坂神社。
天然理心流の門下生の名を連ねた奉納額が、新選組まつりの期間中のみ公開されるとのこと。
この日、混雑覚悟でこの街に来た大きな理由の一つです。

奉納額はこの中

額を見るだけに200円取られるのは少々高いなと思いましたが、丁寧な解説が聞けたので満足できました。

宿場町の面影はあまりありませんが、川なのか堀なのかが流れる道もあり、風情があります。
奥は新選組とも縁のある、大昌寺。

日野宿本陣は、隣を走る大通り沿い。お祭りなので、お囃子の演奏をしていました。

都内では唯一、江戸時代から残る本陣だそうです。

中には綺麗な庭園もありました。

そして、本陣の向かいにあるのが、日野図書館。旅籠風の外観です。

中に入ってみます。
小さな図書館ですが、本の密度は高め。利用者も多めです。
棚と天井の間の僅かなスペースにも、文庫本がぎっしり詰め込まれていました。

雑誌コーナーは30誌くらいで、小ぢんまりとしています。
コンピュータ関係の本は、マニュアル本が中心。

カウンターの奥には「日野宿発見隊」の木札が下がり、その向こうに木製の階段。
図書館とは思えない、古屋敷のような内装です。

二階には、新選組や幕末に関する本が豊富。
特に新選組についての本の数は、目を見張るものがあります。
「俺の新選組」「試衛館の鬼」など、漫画もあります。
新選組関係のマンガ本をご希望の方は職員にお尋ねください、との掲示が出ているので、他にも多くの新選組漫画をストックしているのでしょう。
壁には、私が新選組を深く知るきっかけにもなった「燃えよ剣」の、映画のポスターが何枚も貼られています。

日野市在住著者図書のコーナーもありました。
地図や地名についての本で知られる今尾恵介氏、もしドラの著者の岩崎夏海氏などの本があります。

日野宿や、日本の街道についてのコーナーも。
市政図書室には敵いませんが、ここにも行政資料が置かれています。
他にも、歴史、文学全集、自然、語学などの本が二階にありました。

蔵書数は5.6万冊。
開館は1980年で、2005年にリニューアルしているとのこと。

反対側に出ると、小さいながら駐車場もありました。

駐車場のある裏口

向かいが本陣で、数軒先には日野宿交流館。奥に行くとお寺もあり、正にここが日野宿の中心。

そんな場所に図書館を構えているところに、日野の街らしさを感じます
これについては、次の記事で記します。

日野図書館|日野市立図書館

日野市立市政図書室(東京都)

ゴールデンウィーク最後の土曜日、前々から行きたいと思っていた日野へ。
この日は、ひの新撰組まつりの開催日ということで、混雑も予想されるので、車ではなくバイクで行くことにしました。
1.5時間ほど走り、日野市街に入ってくると、スタンプラリーをやっているようで、各所に人が集まっています。
しかし、バイクを停める所が見つからない。。ぐるぐる回っても見つからず、結局少し離れた市役所まで行きました。

日野市役所

ここには市政図書室があるようで、後で来る予定だったのですが、順番を変更。
まず市役所の中に入ると、記念撮影用モニターが。
観光客が市役所の中まで来ることは、あまり無さそうな気もしますが。

高幡不動バージョン
土方歳三バージョン

柱には、文字だけの地図らしき物が。

市政図書室に行くには、一旦外に出て数十m歩く必要がありました。

日野市は、東京オリンピックウクライナのホストタウンだったようで、紹介ポスターが貼られていました。

ロシアの侵攻を受け、ウクライナ支援の掲示が各地で見られる昨今ですが、これはその遥か前から貼られていたものと思われます。
ALSOKのステッカーも、期せずしてウクライナカラー。

中に入ってみます。
職員さんが一人の他、人の気配は無し。
高い棚にびっしりと本、資料が並び、雰囲気は流行らない古本屋のよう。
教育、自然、法律、産業などの本、行政資料の冊子やファイルが詰まっています。
市役所職員向けの資料室を、一般にも開放した、という感じでしょうか。

棚の脇には、「日野に暮らした文化人」として、
伊藤整、詩人の巽聖歌、田中冬二が紹介されていました。

雑誌もありますが、「ガバナンス」「自治と分権」「税」「都市問題」「地方財務」「月刊廃棄物」など、あまり見たことの無いものが多数。
役所勤めの人にはお馴染みなのでしょうか。
そんな中、なぜか「まっぷる」「るるぶ」「JTB時刻表」が置いていました。

新選組関係図書の棚もありました。小説類はありませんが、関連書籍が多数。
室内にもウクライナの紹介記事や、旗が飾られています。

蔵書数は4.7万冊。開館は昭和52年、即ち45年前と歴史があります。
役所に合わせて、日曜日が休館。土曜のこの日が開館日なのが逆に不思議ですが。
向かいは日野中央公園で、緑が溢れています。

新選組のふるさと歴史館
は、市役所から徒歩数分の、住宅地の中にありました。

映画、小説、漫画などを通して、人々の持つ新選組のイメージの変遷していく様が紹介されていました。
嘗ては新選組近藤勇だったのが、司馬遼太郎の「新選組血風録」により土方や沖田総司の人気が急上昇。美形キャラの彼らに押され、武骨な近藤は以降すっかり陰に回ってしまったとか。
新選組を扱った漫画が大量に紹介、展示されていました。
少年漫画、青年漫画から少女漫画に至るまで、こんなにあるとは。漫画のみならずゲームまで。人気の高さが改めて窺えます。
地元の高校生有志が作ったという爪楊枝アートも、モチーフはやっぱり土方歳三でした。

市政図書室(市役所内)|日野市立図書館

津市芸濃図書館(三重県)

奈良の実家を出て、埼玉まで一気に帰る途中、一つだけ図書館に寄り道。
名阪国道を関ICで降り、南に5分ほど走った所にある、津市の図書館。
閉館時刻の5時に間に合うか微妙でしたが、何とか15分ほど前に着きました。
芸濃総合文化センターなる、かなり大きくて立派な施設。

芸濃総合文化センター

駐車場も広大ですが、夕暮れ時のこの時は、ほとんど車は停まっていませんでした。

一階に芸濃図書館の文字が見えます。
その前には、謎の純白のソファが。

建物は大きいものの、図書館は小さな一室でした。
駐車場の様子から想像される通り、中も職員さん以外、人の気配がほとんどありません。

4つの回転棚があり、文庫本が収まっていました。
よく見ると、国内作家の作品のみ。ライトノベル、時代小説が多めです。

その近くにはコンピュータの本がありました。やや古めのものが多く、Windowsなどのマニュアル本が中心で、今ひとつ。
旅行書の棚は、表が国内、裏が海外。「るるぶ」と「まっぷる」が大量にありました。

全体的には児童書が多く、半分以上を占めていると見えます。
奥には「えほんのへや」もありました。

雑誌は40誌ほどと、少々寂しめ。
郷土資料コーナーは、しっかりとありました。
この町と言うより、三重県に関する本が多く、一志町安濃町など、市町村合併で消滅した町の町史が多数。
現在は津市のここも元は芸濃町のようで、玄関の表示は、「芸濃」と「図書館」の間の「町立」の字が外されていました。

漫画の棚もありました。
巨人の星」「サイボーグ009」「タッチ」「火の鳥」「はだしのゲン」など、昭和の有名作品ばかり。

利用客は全然いないかと思ったら、奥の閲覧席で勉強している中学生くらいの子が二人。
海外小説の文庫本は、ここの周りに少しだけありました。

蔵書数は約6万冊。
町立図書館として開館したのは1997年で、津市に併合されたのは2006年とのこと。

間もなく閉館の5時。
帰り際、二階への階段に、上は郷土資料館と書かれているのを発見。
見学したいところでしたが、ここも5時までとのことで叶わず。

周囲は田圃が広がるのみ。彼方に拝めるのは鈴鹿山系でしょうか。

このまま去るのも寂しいので、どこか寄る所は無いかとカーナビの地図で探してみると、「椋本の大椋」なる文字を見つけました。
数分で行けそうな距離なので、行ってみます。
その途中の道には、古い家並が残っていました。

伊勢街道の宿場町のようで、角屋旅館は国の登録有形文化財だそうです。

角屋旅館

ほどなく椋(むく)の木に到着。
樹齢1500年超とされる老木は、もはや自立困難なのか、鉄柱で支えられていました。

夕暮れ時まで三重県でぶらぶらしていたので、GWのいつもの渋滞もあって、埼玉の家に帰ったのは夜1時過ぎ。
高速道路が深夜割引になったので、計算通りでした。

芸濃図書館 - 津市図書館

神戸市立三宮図書館(兵庫県)

芦屋を出て、次は神戸の海洋博物館を目指します。
途中で昼食を摂ろうと思っていましたが、気付くと街の中心まで来てしまい、車の停められる店がありません。
仕方なくその先の兵庫区まで行ってしまい、昼食後に引き返して来ました。
メリケンパークの駐車場に車を停め、博物館へ。
市の海洋博物館と、川崎重工業の企業博物館であるカワサキワールドが一緒になった施設です。
入ると、いきなりクラシックな帆船がお出迎え。

港町神戸の歴史、世界の船の歴史が学べます。
港湾作業や操船のシミュレーターもありました。

カワサキワールドの方は、造船に始まり、二輪車、新幹線、産業用ロボットと川崎重工の幅広い製品が展示されています。

カワサキのバイク群
懐かしの0型新幹線

ちなみに社名の由来は地名ではなく、創業者川崎正蔵の名前から。薩摩の出身ですが、神戸で創業したとか。
目の前に広がるメリケンパークも散策したかったのですが、急な夕立ちに見舞われそれどころではなく。

博物館の二階から眺めただけで我慢し、三宮駅近くのホテルに向かいました。

そのホテルのすぐ近くにあるのが、三宮図書館。
ホテルで小休止してから外に出ると、雨もほぼ上がっていました。
神戸市最大の繁華街にある最大のターミナル、三宮駅のすぐ近くという一等地の、勤労会館という地味なビルの一階。

閉館時刻18時の15分前に滑り込みました。

かなり古そうな施設で、木の側板のスチール棚は、かなり年季が入っています。
置いている本も古めのものが目立ちます。
地味なビルとは言え場所は良いので、客入りはそこそこ。意外に子供も何人かいました。

入ってすぐの所に、ビジネス本のコーナーがありました。
社史を収集しているので寄贈をお願いします、との掲示があり、見ると、既に百ほどの社史が並んでいました。
川崎重工業川崎製鉄はもちろん、神戸新聞神戸製鋼阪神電鉄など、地元企業のものが多数。
関西らしく、吉本興業もありました。

住宅地図、道路地図がビジネス書コーナーにあったり、
昭和天皇実録」が美術書のコーナーにあったり、ちょっと不思議なところも。
イカラな港町らしく、洋書も置いていました。

郷土資料は、阪神淡路大震災の本を始め、神戸、兵庫県に関する本が多数。
やはり古めのものが多く、「兵庫県史」は40年前のものでした。
そんな中、ヴィッセル神戸のオフィシャルマガジンも揃っていました。

閉館時刻になり、西側の出口から出ると、目の前がホテルの裏口。
近くどころかほぼ直結でした。

左がホテル、右が図書館

蔵書数は約8万冊。
1980年開館という歴史ある図書館は、「世界一美しい図書館」を目指して2027年頃に新装開館予定。
その前に仮移転するので、現在の図書館は6月末には閉鎖されるとのこと。今の姿は、これが見納めでしょう。
世界一美しい図書館に生まれ変わった暁には、是非再訪しなくては!

国道2号線に面しています

夜は南京町の中華街へ。

横浜のそれよりは小さくて夜も早いですが、長崎のそれよりは大きくて遅くまでやっています。

神戸市:施設一覧

芦屋市立図書館(兵庫県)

ゴールデンウィークが始まり、帰省を兼ねて車で関西へ。
最初の目的地は神戸。
真夜中に埼玉の家を出て、新東名、新名神を走り、名神の終点、西宮で高速道路を下りました。
ここからは国道43号線で西へ向かいます。

どこか図書館に寄ろうと思いますが、西宮市の中央図書館は駐車場が無いようなので、隣の芦屋市へ。
実は芦屋は、ほんの数年ですが、子供時代に住んだことのある思い出の街です。
当時は無かったであろう図書館は、国道43号線から南へ500mほど。

国道43号線からの道

関西随一の高級住宅街、芦屋らしい立派な邸宅の並ぶ、石畳の道を進むと、右に図書館の駐車場。が見えたのですが、一方通行のため右折できず。ぐるっと回って西側からアプローチ、再挑戦を図るも、駐車場の入口が見当たらず。
南側に回り直して、ようやく入れました。

図書館、美術館、谷崎潤一郎記念館が並び建つ文化エリアです。
利用者は一時間無料の駐車場に車を停めました。

すぐ南に広がるのは、芦屋浜シーサイドタウン。

出来た当時は、日本一の高層マンション群として話題だったと記憶しています。
今も健在のようで何より。
海に突き出す埋立地だったはずが、今はその更に先にも埋立地が広がっているようですが。

いざ、図書館へ。
美術館のようなお洒落な外観です。

向かいにある緑に覆われた謎のトンネルは、自転車置き場でした。

中も美術館のようなお洒落な造形。

ロビー

館内は、とてもゆったりとした空間が広がっていました。
T字型で、左は児童書、右は一般書。
床、棚とも木で、新築の香りがします。
高い天井からは、剣のような電灯が吊り下がっています。
棚の上にも電灯が載っており、とても明るめ。
高い天井には、むき出しの大きなファンがゆっくりと回っており、南国のリゾートホテルのよう。

蔵書の方は、あまり特色は見当たりません。
高級住宅街だからと言って、高そうな本が多いわけでは勿論ありません。
私がよくチェックする、コンピュータ関係、旅行書とも、まあ普通。
隣に谷崎記念館があるくらいなので、谷崎コーナーがあるかと探しますが、見当たりません。と言うか、著作自体があまり見当たらず。
文庫本は結構多いのですが、谷崎の本は「細雪」上巻があるのみでした。

洋書もありました。
Penguin社の水色のペーパーバックが多数あるのが、ちょっと特徴的。

T字の縦棒の辺りが、参考調査室。
見当たらない、と思っていた郷土資料はここにありました。
阪神淡路大震災に関する本がかなり豊富。
百科事典のような「震災調査報告」が20巻ほど、電話帳のような「震災復興誌」が10巻。
他にも関連書籍が多数。
この地に残した傷跡の深さを、改めて思い知らされます。
それ以外の資料は、近隣の市史、県史などがあるのが目立つくらいで、少なめ。
そんな中、1981年開催の神戸ポートアイランド博覧会の公式記録、写真集がありました。
小学生の時に行ったことが懐かしく思い出されます。

芦屋市に関する資料はここではなく、少し離れた棚にありました。
行政資料は豊富ですが、本はあまりありません。

芦屋市立図書館の歴史は、戦後間もない1949年に始まり、現在の施設の開館は、1987年。
35年も経っているとは到底信じられない綺麗さ、と思ったらやはり、3年前にリニューアルされているようでした。
蔵書数は30万冊ほどはあるはずですが、そんなに多いようには見えませんでした。大きな書庫があるのでしょうか。

外には、庭もありました。本当に美術館のよう。

この時は雨上がりで、座れる状態ではなかったですが。

庭を眺めながら西側に抜け、お隣の谷崎潤一郎記念館へ。

「谷崎とおんな 谷崎のおんな」という企画展をやっていて、入館料は500円。少々高いかなと思いつつも、せっかくなので入館。
谷崎が色んな女に送った手紙、ラブレターが展示されていました。
よく集めたものだと、そのことに関心します。
美しい庭園もあります。その向こうには、図書館が。

しかし、阪神間で十数回転居したという谷崎が、芦屋に住んだのはほんの数年のようで、細雪のモデルになった家も隣の神戸市でした。
ちなみに、谷崎が東京から関西に移り住んだのは、関東大震災がきっかけとか。しかしこの地でも、細雪に描かれた大水害に遭い、没後30年の年には件の大震災。
古今東西を問わず、日本で災害の脅威から逃れることの難しさを改めて思い知らされます。

そのまた隣の美術博物館では、
何でも鑑定団のおもちゃ担当でお馴染みの、北原照久コレクション展をやっており、気になったものの先を急ぐので断念。

再び車を西に走らせると、ほどなく芦屋川に行き当たります。

もっと上流まで行って、阪神間モダニズムの空気を味わいたいところですが、時間の都合でこれも断念。
その上を阪神高速が走る国道43号線に戻り、神戸へ。
高速道路の支柱が倒壊した、目を疑いたくなる震災時の映像は、今も鮮明に思い出されます。

各館案内 | 芦屋市立図書館