図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

福山市中央図書館(広島県)

広島県に入り、福山駅で途中下車。
駅北口は、目の前が福山城

石垣の上から

階段を登ると、天守閣の前は卵型のバルーンでいっぱいでした。

チームラボのイベントがあるようで、その仕掛けのようです。

お城には登らずに、南口へ。
駅から南に繁華街を10分ほど歩くと、見えてきました。
中央公園に建つ、福山市の中央図書館。「まなびの館ローズコム」なる施設に入っています。

噴水池に囲まれており、まるで美術館のよう。

中に入ります。
いきなり、「福ミス」なるコーナーが。
福山出身のミステリー界の大御所、島田荘司に因んで作られたという、
ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の歴代受賞作が陳列されています。
受賞者の中でその後メジャーになったのは、第4回の知念実希人くらいでしょうか。
島田氏の等身大パネルもありました。

他にも井伏鱒二日野啓三などが福山出身らしく、その横に写真パネルで紹介されていました。

その裏は「福山らしさ」として、ばら、ミステリーの本がありました。

中央は雑誌コーナー。200誌ほどはあります。
吹き抜けをガラス張りのエレベータが上下するという、洒落た空間になっています。

CD、DVD、VHSも置いていますが、規模の割には少なめ。
映画はほとんど無く、映像資料ばかり。

二階には参考図書、郷土資料などがありました。
井伏鱒二福原麟太郎などの本が多数。
カープ本」なる棚もあり、広島カープの本が数十冊。
広島県に入ったことを実感します。
郷土資料の中には、義倉文庫なる棚もありました。何の説明も無いのですが、調べると、資料を寄付した財団法人の名のようです。

外国語資料もありました。
全体的に古めですが、特に中国語はかなり古めな印象。
ポルトガル語タガログ語の本もあります。

コンピュータの本は数はそこそこですが、高度なものはあまり見当たらず。

漫画も比較的充実。割に新しいものが多め。
ビジネス関連資料には、備後の会社の社史を揃えています。

図書館には入っていないようですが、四階には歴史資料室がありました。
今は福山市に吸収された、鞆町役場文書が展示されていました。
他には新聞スクラップなどが保管されています。
テラスもあり、街を見下ろせました。

現在の施設の開館は2008年。
蔵書数は約54万冊という、堂々たる数字。

公園内には、原爆慰霊碑がありました。

爆心地からはかなり遠いものの、ここも同じ広島県。平和への思いの強さを実感しました。

福山駅に戻り、旅を再開。
新幹線ホームの上に、天守閣が顔を出していました。

手前には福山の象徴、ばら(だと思う)が咲いています。

図書館案内 | 図書館WEBサービス

金光図書館(岡山県 浅口市)

1月4日に開いている図書館を求めて、次に途中下車したのは山陽線金光駅

金光駅

ここにあるのは当ブログ初、私自身初の、宗教団体が運営する図書館です。
新興宗教の施設に入るのは少々勇気が要りますが、誰でも入れるとのことで、金光教は特に悪い噂も聞かないので、大丈夫でしょう。
駅を出てすぐ川を渡り、坂を下りると、実に味わい深い、レトロな商店街が。

しばらく行くと、金光教本部教庁も入る大きなビルが出現。
この中に図書館もあるようです。

ここまでの道もビルの中も、人はかなり少なめ。
一階に展示室があり、開祖の歩みを紹介するパネルや、
岡本かの子「深海草」、若山牧水「海の聲」など、色んな歌集の初版本が陳列されていました。

図書館は二階です。
入ると、絵本、紙芝居が大量に置いています。
中にはそこそこ人がいます。

マンガもありました。
手塚治虫藤子不二雄など、定番の無難な本が並びますが、「北斗の拳」「ろくでなしBLUES」など少々攻めた物も。

その先に行くと、宗教色が出てきました。
講話のCDが大量に置かれています。DVDも少し。
音楽や映画のソフトは見当たりません。

金光教図書、雑誌のコーナーにも資料がたっぷり。本というより冊子がほとんど。
それらを除けば、極めて普通の図書館です。
文庫、新書も充実。

本には普通に分類番号の記されたラベルが貼られていますが、棚には分野名があまり掲げられていないので、やや分かりにくい。

私がよくチェックするのは、コンピュータ関係と旅行関係。
コンピュータの本は数えるほどでしたが、「地球の歩き方」はありました。
宗教の本も普通、というか普通より充実しています。天理教、大本など、ライバル的存在?の宗教の本も多数。

郷土資料のコーナーもありました。
古い写真集、岡山県史、今は合併して浅口市となった金光町史など。
日生分館で見た、岡山文庫もしっかり置いていました。
やはり日生にあった、福袋も。
「本のお楽しみ袋」という名で、ミステリーなどのジャンル名は分かるようになっていました。

雑誌も置いていますが、少々渋め。
宗教系や官庁系のものが目立ちます。

開館は戦時中の1943年で、現在の施設は1983年に出来たとのこと。
蔵書数約23万冊は、私営図書館としては日本最大級だそうです。

すぐ傍の階段の上には、教会本部が。

参詣者はまばらでした。
アーケード商店街がありますが、これが実に渋い。
映画「とんび」の撮影にも使われたそうです。

三が日の後だからなのか、どこも人影まばら、というかほぼ無人なのは気になりましたが、時の止まったような金光の門前町は、一見の価値あり、でした。

金光図書館ホームページ

備前市立図書館日生分館(岡山県)

帰省の後は、青春18きっぷで西日本の旅に出ます。
朝11時前に、赤穂線日生駅で途中下車。

日生駅

駅を出ると、目の前が港。小豆島行きのフェリーも出ています。

この日は1月4日。
一般的には仕事始めの日ですが、この日から営業開始する図書館はむしろ少数派。
ここを下車駅に選んだのは、駅近くの図書館がこの日から開いているから。

駅から徒歩数分、市民会館の一角に図書館がありました。

右側一階が図書館

スライドドアを開けると、廊下が続きます。
お正月らしく、本の福袋が置かれていました。中身の分からない3冊の本が入った袋には、大人向け、中学生向け、などと書かれています。
新聞と、十誌ほどある雑誌も廊下にありました。

ほぼ正方形の館内は広いとは言えませんが、本棚は高く、密度は高め。
郷土資料の棚も大きめ。
岡山県備前市日生町吉永町と4つに分類されているように見えて、明確には分かれてなさそう。

「岡山文庫」なる郷土文庫の棚もありました。
古いものは昭和40年代から、新しいものは10年ほど前の刊まで。

児童書、文系書以外は少なめです。
私がいつもチェックするコンピュータの本は、数十冊。
旅行ガイドは大半が「るるぶ」。
文庫は時代小説、ラノベという売れ筋を中心に、そこそこ充実しています。

廊下の途中には、絵本の置かれたキッズルームもありました。

蔵書数は約3.9万冊。開館は2005年のようです。
図書館のすぐ裏は海。人は少ないですが、ロケーションは最高です。

日生で降りたもう一つの理由は、名物の牡蠣たっぷりのお好み焼き「かきおこ」。
駅からここに来る間にも、図書館の真ん前にもお店があります。

図書館前の道

正直あまりお腹が空いていなかったので、どうしようかと思っていましたが、やはりここに来ると食べずに帰れない気分になってきます。
しかし、、人通りが少ないので油断していましたが、旬の季節の上に正月休みの人も多いとあって、お店の前には入店待ちの人が。
どの店にするか迷っている内に、呑気に食べている時間は無くなって来ました。
テイクアウトなら何とか、と思い聞いてみると、テイクアウトでも最低20分かかるとのこと。電車の時間を考え、泣く泣く断念。
元々はそんなに食欲は無かったのに、いざ食べられないとなると悔しい。。図書館に行く前に注文しておくべきでした。

施設案内|備前市立図書館

ちえなみき(福井県 敦賀市)

年末年始は、青春18きっぷで帰省を兼ねた旅行に。早朝に埼玉を出て、福井に向かいます。
南の方から普通電車で福井に行く時は、敦賀駅で2、30分の中途半端な乗換待ちが発生、時間潰しに困るのがお決まり。
だったのですが、この度駅前に面白いスポットが出来たと聞き、今回はその待ち時間を楽しみにしていました。

敦賀駅

再来年春の新幹線開業を控え、駅舎も周辺もどんどん新しく生まれ変わる中、駅前に出来た「TSURUGA POLT SQUARE otta」、

その中に誕生したのが、不思議な読書空間「ちえなみき TSURUGA BOOKS & COMMONS」。

入口

「これまでの書店や図書館とは全く違う知の大系によって分類された書籍空間」とのこと。
複雑な配列の本棚に、お洒落に陳列された少々マニアックな本たち。まるでセレクトショップのようですが、こう見えても公営施設です。

読書席もたくさんあり、自由に読むことが出来ます。

一階は「世界知」。
「文化・生活」「歴史・社会」「生命・科学」の3テーマで色分けされていて、更に独特のテーマごとに分類されています。
スケールは違いますが、これまた今年誕生した石川県立図書館を思い出させます。

カフェもあり、お茶を飲みながら本を読むことも出来ます。
文字通り日本茶や抹茶スイーツのお店で、カフェと言っても珈琲はありません。

上階への階段も本に囲まれています。

二階は絵本と「日常知」。

絵本ワンダーランド

港町敦賀をイメージして、船の帆が掲げられていました。

そして二階から一階を眺めると、サプライズが。

本棚の上にメッセージが書かれていました。

本は基本的に売り物で、その場では読めても貸出は出来ないので、図書館よりは書店に近い存在です。
しかし山積みの新刊書、ベストセラー、雑誌で利益の大半を稼ぐ一般の書店とは、明らかに一線を画す品揃えと陳列。
話題の新刊もどこかにあるのでしょうが、まとまって置いてはいないので分かりません。雑誌も見当たらず。
とは言え、やはり売り物なので、あまり古い本はありませんが。

今年9月にオープンしたばかりのこの施設、3ヶ月で来場者10万人を超えたとかで、この日も地元の人や旅行者で大いに賑わっていました。
全国の図書館を紹介してきたこのブログの中では異色ですが、ほとんどの図書館が休館する年末年始にも営業(大晦日のみ休業、三が日は時短営業)している貴重な存在として、今年の締めを飾ってもらいました。
これからは敦賀駅でどんなに時間が開いても、暇することは無さそうです。もっとも、新幹線が開業してしまうと、青春18きっぷでの旅はしにくくなってしまいますが。。

敦賀市知育・啓発施設「ちえなみき」

蕨市立図書館錦町分館(埼玉県)

近くに来たついでに、蕨市の図書館に寄ります。
カーナビを頼りにやって来たのは、錦町分館。西公民館にあります。
住宅地の狭い道をクネクネと行った先、分かりにくい場所でした。

来るまでの道も狭いですが、駐車場も狭い。数台分しかありません。
二階の窓には、舞踊教室をやっているのか、踊る老人たちの影が。

中に入ると、ロビーの一角に本棚が並び、ここが図書館のようです。
7、8割が児童書と見えます。古めの本が目立ちます。
館内は絨毯敷きですが、分厚い木の板を並べた、絵本スペースもありました。

一般書は小説が大半で、文庫本が30冊ほど。
こちらの本は比較的新しめですが、合わせても千冊ほどでしょうか。
新聞・雑誌、CDはありません。
本棚の上には、なぜか木彫りの熊の親子が。

公民館に受付はありますが、図書館に職員はおらず、中央部に貸出簿が置いてありました。
資料番号と利用券番号を自分で書いて借りていくという、完全セルフ式。
最近現れ出した無人店舗の走りのようで、ある意味先進的ですが、今時オンライン化されていないアナログ運営とは、考えられないレトロさ。

蔵書数は約4700冊とかなり少なめで、更に一般書はその2割ほどの900冊弱。
開館は1979年とのことで、歴史はそこそこあります。
その古さが一周回って、時代の先端を行っているかのような、不思議な図書館でした。

施設案内 図書館錦町分館|蕨市公式ウェブサイト

板橋区立蓮根図書館(東京都)

2つの区の境にある浮間舟渡で、北区の図書館に行ったので、もう1つの板橋区の図書館にも行ってみます。
最も近そうなのは、蓮根図書館。と言っても徒歩で20分ほどかかります。
途中、区境の川を渡りました。

名前を調べてみると、新河岸川。地元埼玉の川越を流れるあの川が、こんな所まで来ているとは知りませんでした。
スマホを頼りに住宅地の中を歩き続け、蓮根三丁目公園まで来ました。
目の前の高層住宅の下に、図書館があるようです。

入口は反対の西側でした。かなり年季が入っていそうです。

入口の脇に二次利用コーナーがあり、除籍されたり利用者が持ち込んだりした不要な本が置かれていました。一般にはリサイクル図書と呼ばれることが多いですが。

館内の床は昔風のタイル貼り。
掲げられている図書分類表も、かなり年季が入っています。
公式サイトによると、子供の読書活動に力を入れているそうで、絨毯敷の児童図書室があります。

CDは、背を上にして並んでいました。
郷土・行政資料コーナーは、資料が中心で本はほとんど無し。

一昔前の図書館らしい殺風景な館内ですが、一部の棚がお洒落。
雑誌棚は、キューブ型を斜めにして組み合わせたもの。
文庫棚も、白い円形の側板に透けたオレンジの底板で、やはり斜め上を向いています。棚が30個で計8千冊くらいでしょうか。
他の棚はオーソドックスな、グレーのスチール棚ですが。

パッケージ室なる謎の扉も。何だか分かりませんが、一般には空調設備を置く部屋のようです。

図書館自体もそうですが、蔵書も古め。
とりわけ古く見えた大きな画集類は7、80年代の刊行でした。
コンピューターの本も少々古め。マニュアル本が多く、今ひとつでした。

蔵書数は約9万冊との情報がありました。
開館は1978年。古い画集は、開館当時のものだったようです。
最寄り駅は都営三田線蓮根駅ではなく、隣の西台駅のようです。

その後は再び新河岸川を越え、

荒川を越え、

埼玉県に戻りました。

板橋区立蓮根図書館 | 都営住宅の1階部分にあります。子供(特に就学前)の読書活動に力を入れています。

北区立浮間図書館(東京都)

戸田橋を渡り、歩いて県境を越え、東京都に入りました。
やって来たのは、浮間公園。
板橋区と北区の境目にあります。

シンボルの風車と共に、12月に入っても紅葉が楽しめました。

公園は、JR浮間舟渡駅の目の前。
そして、駅の裏側には図書館があります。

スマホを頼りに行ってみると、そこに見えるのは北区立の中学校。

他にそれらしき物は見当たらないなと思っていると、やはり図書館の入口もありました。

真新しい館内は、ベージュの絨毯に白い壁、本棚。壁伝いは木製の棚になっています。
130誌ほどの雑誌コーナーに、2千枚ほどのCDコーナーと続きます。
手前は児童書エリアで、その先が一般書。

中央の良い位置に、地域資料北区の棚があります。
渋沢栄一邸のあった飛鳥山を抱える北区、渋沢栄一翁の関連書籍コーナーもありました。
その横には東京都の棚もありました。

奥を右に折れると、棚には「浮間中図書」の掲示。中学校の図書室のようです。
この日は土曜日なので、中学生の制服姿は見られません。
中学校の蔵書は一般の人は貸出不可とのことで、貼られているラベルも異なります。
周りにはヤングアダルト、漫画も多数ありますが、これらは一般書扱いの模様。

新しい施設だからか、コンピュータの本もそこそこ充実しています。
文庫も豊富で、4千冊くらいはありそう。
参考図書、郷土資料、全集類は古めの物が目立ちますが、全体的には本は新しめ。
旅行書の横にはハーレクイン専用棚が。久喜市の図書館で見たそれはかなり古めでしたが、こちらはかなり新しめです。

中央部は吹き抜けで、その分窓も大きく、明るくなっています。
内向きの窓からは、中学校の廊下らしきものが見えます。
対面音訳室なる部屋もありました。

蔵書数は約6万冊ですが、半分は北区共通資料という扱いのようです。
開館は1978年ですが、2年前に移転したばかりとのこと。木の香の漂うような新築感も頷けます。

JR浮間舟渡駅

来る前は、駅前の一等地なので、商業施設か行政施設と一緒なのかと想像していましたが、中学校の一部とは予想外でした。
ちなみに浮間は北区、舟渡は板橋区の町の名前です。

北区立図書館 浮間図書館