図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

戸田市立図書館上戸田分館(埼玉県)

所用で戸田市にやって来ました。
昼食後、未開拓の図書館を訪問。
カーナビを頼りにやって来たのは、上戸田分館。
「あいパル」なる愛称の付いた地域交流センターの中にあります。

戸田市では美笹下戸田南の2つの分室に行ったことがありますが、いずれも古くて小さかったので、同じような所を想像していたのですが、ここは予想外に綺麗で立派。
分室ではなく分館なので、格が違うのでしょう。

アート作品が並んでいるのかと思いきや、ベンチのようです。

その奥が入口。

正面入口

駐車場は裏にありますが、あいにく有料。最初の15分は無料とのことですが、さすがに15分では物足りず、100円/30分を払いました。
駐車場側から中に入ると、いきなりカフェになっていました。
図書館は二階です。
二階には和室やバルコニーの様な外通路もありました。都会の商業施設のような雰囲気です。

二階から

図書館の中に入ると、正面に漫画(文庫版)、新書、防災情報コーナーと並んでいます。

打ちっ放しのコンクリートに黒の絨毯、アクセントにピンクの壁や柱もあり、インテリアも洒落ています。
板敷きの絵本コーナーの部屋もありました。

雑誌は40誌ほど。
コンピュータの本はマニュアル、読み物系が中心でした。

郷土資料の棚は、表が戸田市関係、裏が埼玉県関係となっていました。
戸田市の方は行政資料、遺跡の調査報告など。
埼玉県の方は古い本が多めです。「埼玉大百科事典」は昭和50年前後の刊。

現在の施設は2015年に開館、蔵書数は約4.1万冊とのこと。
小さいながら、人を惹きつけるもののある図書館でした。

その後は去年も来た、戸田公園へ。シーズンオフなのか、人は少なめですが、のんびりとボートの練習をしている人もいます。
すぐ傍を流れる荒川の向こうは、東京都です。

荒川河川敷

上戸田分館

桜川市真壁図書館(茨城県)

栃木県滞在は僅か5時間ほど、再び茨城県に入りました。
旅の最後に目指すは、真壁の街。
2年半ほど前にもこの辺りに来たのですが、その際は時間が遅くて素通りしたので、いつかじっくり訪れたいと思っていた所です。
その前に、神社仏閣をハシゴしていきます。
まずは、山中に佇む富谷観音こと小山寺。
五重塔は国の重要文化財です。

続いて、平地にある月山寺。

枯れ山水と紅葉のコントラストが見事でした。

加波山の麓にある、加波山神社。鳥居脇の銀杏が綺麗。

至近距離に、真壁拝殿と本宮の2つ、加波山神社を名乗るものがあります。
真壁拝殿の方に行くつもり、行ったつもりだったのですが、後で調べると私が行ったのは本宮の方だったようです。

街の外れにある、真壁城跡にも訪れました。

背後右は筑波山

発掘調査中のようで、奈良の藤原宮跡を思い出させる何も無さですが、そこが良いとも言えます。

古い街並みの残る地区に入ってきました。
中心部にある真壁伝承館にバイクを停めます。公民館、図書館などの入る施設。歴史資料館もあったそうですが、人の気配が無かったので気付かず、入りませんでした

門をくぐって行くと、図書館がありました。

小さいながら、中には白壁のお洒落空間が広がっていました。
館内の写真撮影もOKとのこと。

窓際は漫画が多く、壁から直接棚が出ています。

カウンター前には、時代小説の文庫だけの棚がありました。
CD、DVDはカウンター下と、離れた所に置かれていました。
雑誌は30誌ほど。

桜川市出身 海老沢泰久コーナー」も。
野球をテーマにした作品の多い海老沢氏。私も最近一冊読みました。

文芸書はそこそこありますが、それ以外は総じてかなり少なめ。
コンピュータの本は数えるほどで、旅行書も「るるぶ」くらい。
郷土資料も多くはないですが、茨城県の本が置かれています。
茨城県内の図書館にはほぼ必ずある、「ふるさと文庫」はしっかりありました。

二階は、学習室とトイレのみ。
階段の壁には文庫本が並んでいました。

開館は2011年と、新しく綺麗な図書館ですが、
蔵書数は約3.3万冊と、少々寂しめです。

日暮れまでの時間、街を散策。

茨城県で唯一、重要伝統的建造物群保存地区に指定されているそうです。

観光客を意識したお店は少なく、自然に歴史を積み重ねている街、という印象でした。

真壁図書館トップ | 桜川市公式ホームページ

市貝町立図書館(栃木県)

茂木町を出て、お隣の市貝町へ。
途中の沿道、カメラを構える人で溢れている所がありました。
白い大きな鳥が見えたので、白鳥飛来地か?と思いましたが、やがてやって来たのは、SL。なるほど。
真岡鐵道で週末走る、SLもおか。
慌ててバイクを停めてカメラを構えても到底間に合わないので、目に焼き付けるのみとなりました。

ほどなく市貝町に入りました。
ここでも図書館を訪問します。
周囲には公民館、武道館、運動公園などが集まっています。その先には市貝温泉も。

図書館・歴史民俗資料館

中に入ってみます。
歴史民俗資料館も併設されているとのことですが、、、展示物はこれだけ。

ここまで小さな資料館はなかなかありません。

気を取り直して、図書館の方へ。
「祝20周年 このミステリーがすごい歴代大賞」なる企画展示がありました。
CD、DVD、60誌ほどの雑誌、漫画が置いていますが、あとは児童書ばかり。
おはなしコーナーや、いろいろな国の絵本コーナーもあります。
ほぼ英語ですが、台湾、韓国、ドイツなどのものも少しありました。

漫画は「進撃の巨人」「呪術廻戦」など、結構新しめのものを置いています。

一般閲覧室は二階でした。

郷土資料は、本より遺跡などの資料中心。
市貝町の資料の棚には、入野正明なる人の小説が2冊あります。
地元出身の人なのかと思って著者略歴を見てみると、、なんと市貝町長!
出版社は文芸社。ということは、自費出版だと思われますが。

私がよくチェックする旅行書、コンピューターは、どちらも寂しめ。
特に海外ガイドは寂しく、「地球の歩き方」は無し。

二階からの眺めば良好。田園風景が広がっていました。

新書は一階にありましたが、文庫は新着図書にあったのみで、見当たりませんでした。
開館は1991年、蔵書数は約8.5万冊とのこと。

カウンターには、入野家住宅の案内パンフレットが置かれていました。
町長と同じ名前。関係があるのでしょうか。
他にあまり観光名所も無さそうなので、行ってみることにします。

図書館からは南西に4kmほど、やはり田園風景の中にありました。
銀杏の黄金の絨毯が見事。

築180年ほどで、国の重要文化財に指定されているとのこと。入場無料です。

ボランティアガイドの方が案内してくださいました。
聞いてみると、町長が住んでいたわけでは無いようで、詳しくは分からないが親戚筋ではないかとのことでした。

市貝町立図書館・歴史民俗資料館

ふみの森もてぎ図書館(栃木県 茂木町)

茨城県から、栃木県茂木町に入りました。
幹線道路でもない山中の道にしては交通量が多い、と思っていたら沿道に、もてぎモビリティリゾート(旧ツインリンクもてぎ)が登場。
ここに向かう車が多かったようです。

やがて茂木の町に入りました。
落ち着いた静かな町で、古い家並みも少し残っています。

町の中心部に、新しい図書館があります。
ギャラリーなどもある、文化交流施設。

木材の多用された真新しい館内は、木の香りが漂い、まさに”森”。
写真撮影もOKとのこと。

本棚の上には「すぐに役立つ」「人生を楽しむ」「世界と日本の現在を知る」など。分かりやすいテーマが掲げられています。

田舎町の図書館の朝にしては、人も多め。
学習室も、朝から真面目な学生達で賑わっています。

漫画コーナーがそこそこ充実しています。
茂木町出身の金子節子さんの作品も置かれていました。

郷土資料も、新しい本が多め。
「ススメ!栃木部」なる漫画もありました。
二宮尊徳に関する本が多数あります。小田原の人だったはずだけどなぜ?と思ったら、茂木に少し住んで活動していたことがあるようです。
その上には、なぜか近江商人の本も。近江から北関東に移って成功した人が多いとか。

CD、DVDも多くはありませんが置いています。コロナ対策か、視聴席は一つだけ。
私がいつもチェックする、コンピュータの本はかなり寂しめ。

二階には文学全集、歴史、哲学などの本があります。
文学全集も新しめのものが多く、綺麗。
そして、ここにも漫画がありました。「のらくろ」や、手塚治虫藤子不二雄水木しげる大全集など、漫画の中でも古典と呼べそうな部類の物がこちらにあります。

雑誌は60誌ほど。
雑誌棚の向かいがカフェになっています。
ホットコーヒーが160円とリーズナブル。一杯いただいていきました。

カフェから

2016年に開館したというこの図書館、蔵書数は約6.9万冊。まだまだ伸び代がありそうです。

正面玄関

背後にある高台は、城山公園。

大した高さには見えなかったので、バイクを置いて歩いて登ってみます。が、道がクネクネとしていて、思いの外時間と労力を要しました。
上からは、茂木の町が一望できます。

城山公園では、もてぎ里山アートフェスタなる催しをやっていて、アート作品が展示されていました。

ふみの森もてぎ

水戸市立見和図書館(茨城県)

この日は水戸市内に宿泊。
日が暮れてから阿見町を出て、バイクで約1時間半。
すっかり夜ですが、水戸市の図書館は週末でも夜8時まで開いているようなので、一日の締めに、一つ寄ってみます。
やって来たのは水戸の中心部から3kmほど西にある、見和図書館。
大きな道路沿いにあります。

入ってすぐの所に、企画展示「文房具と共に」がありました。
この日、11月26日は「ペンの日」だそうな。
文房具に関わる本、小説、エッセイなどが置かれていました。

続いて、「本が泣いています」。
汚されり破損されたりした、痛々しい本がガラスケースの中に展示されていました。

続いて、「サッカーW杯開幕!」の特集コーナーが。
サッカーの本や、開催地カタールを載せる、地球の歩き方「ドバイとアラビア半島」等が置かれていました。

照明抑え気味の館内に進んで行きます。
館内は円弧状。本棚も放射線状に並んでいます。
円形だった、同じ水戸市西部図書館を思い出します。ちなみに西部図書館は、ここから僅か2㎞ほどの距離。

文芸書には、作者名の仕切り板が挟まれていますが、なんと数行の著者紹介文が書かれています。
よく見るとその下には、スタッフおすすめが各3冊挙げられています。
村上春樹だと1位は「ノルウェイの森」、東野圭吾なら「マスカレード・ホテル」、横山秀夫は「ルパンの消息」。
自分のおすすめと比較して回るだけでも、充分楽しめます。
ここまでやっている所は、なかなか無いでしょう。
このサービスは、海外作家にはありませんでした。

本棚の脇には、「食欲の秋」「神」などのミニ特集コーナーが設けられています。
更には、担当者からの日替わりおすすめ本コーナーまで。日替わりとは恐れ入ります。
この日は温泉の本が特集されていました。

一番奥には、深作欣二記念コーナーがありました。
仁義なき戦い」等で知られる映画監督は、水戸の生まれとか。
写真パネル、愛用の机と椅子の他、ガラスケース内には日本アカデミー賞のトロフィー、愛用品のハリセン、ストップウォッチなどが飾られていました。

郷土資料も豊富で、本が分野別に分けられ、更にそれぞれ茨城県水戸市に仕切り板で分けられています。
ここにもやはり、茨城ローカルの「ふるさと文庫」が揃っています。

節電のためかもしれませんが、それにしても暗い。
中央部はともかく、端の方はかなり暗めです。

雑誌は150誌ほどあるようです。
コンピュータの本はそれなり。規模の割にはやや物足りないかも。

開館は2006年。蔵書数は約15万冊。
とにかく職員さんの創意工夫が感じられる、意欲的な図書館でした。

この日は雨の予報で、バイクで出かけるのに躊躇いがあったのですが、結局全く雨に降られることは無く。実に幸運でした。

予報通り好天となった翌日の朝は、水戸市森林公園へ。
小高い山になっていて、かなり広大な敷地です。
もみじの道、なる道があったので、行ってみました。少々見頃は過ぎていましたが、季節を感じることが出来ました。

園内には、恐竜のオブジェが置かれた恐竜広場が幾つかあります。

化石が出土したとかの謂れは特に無いみたいですが、なかなかの大きさで、迫力がありました。

見和図書館 | 水戸市立図書館

阿見町立図書館(茨城県)

アウトレットモールを軽く覗いてから、阿見町の図書館にやってきました。

公民館

「ようこそ二所ノ関部屋」の垂れ幕が。
出身地の牛久の図書館ではスルーされていた横綱稀勢の里。親方となり、隣の阿見町に相撲部屋を開いたようです。
これが図書館かと思ったら公民館で、図書館はその奥にありました。

図書館

ほぼ正方形の館内は、なかなか広め。
雑誌は百誌超で、官公庁の広報類も大量にあります。
床は木のタイル貼り、児童書エリアは絨毯敷きです。

CD、DVDもあります。

奥には、下村千秋文学コーナーがありました。
ガラスケースの中に古い著書、蔵書と思しき本、作文や履歴書、原稿などが展示されています。
横には、大庭みな子文学コーナーが。
芥川賞作家で選考委員も務めたという官女は、東京出身で父の本籍が阿見だったためにこの地に籍があったというだけで、住んだことは無さそう。
下村氏に比べて扱いが小さいのは、そのためでしょうか。
対する下村氏の方は、説明がありません。
展示されていた新聞記事によると、ルンペン文学を拓いたとされる作家のようです。

郷土資料は、茨城県に関する本が多数。
ここにもやはり「ふるさと文庫」。茨城県内の図書館ではほぼ標準装備です。

壁沿いの棚には文庫、新書、ノベルズが並んでいます。
コンピューターの本もそれなりに充実。

玄関の外には、下村千秋の碑が建っていました。

開館は平成元(1989)年、蔵書数は約15万冊とのこと。

続いて、霞ケ浦の近くにある、予科練平和記念館へ。
阿見町に来たのは、ここが目当てでした。

屋外には、零戦の実物大模型がありました。

大津島でも見た、魚雷型特攻機の回天の実物大模型も。胸が締め付けられます。

この日は海も見に行きたかったのですが、既に日没間際で、30㎞ほど先の海までは到底行けそうにありません。
海の様に広大な、霞ケ浦を見て我慢。

隣には陸上自衛隊があり、その敷地内には姉妹施設の雄翔館があったのですが、こちらは4時半までということで間に合わず。
記念館の方は最終入場が4時半。時間が無いので急いで見学します。
飛行兵の訓練所として発足し、戦争終盤は多くの特攻隊員を送り出すという、悲劇的、非人道的な使命を帯びた予科練
正直見るのは辛いのですが、やはり見ないわけにはいかない施設です。
改めて、平和への思いを新たにしました。

阿見町立図書館

牛久市立中央図書館(茨城県)

茎崎の図書館を出て、次に向かうは牛久大仏阿見町、だったのですが、バイクで迷い込んでしまったのはどこかの施設内道路。
うしく現代美術館(だと思い込んでいたのですが、実は美術"展"でした)の幟がはためいています。

横にあるのは、中央図書館の駐車場。
牛久に図書館があることはリサーチ済みだったものの、全てに寄っている暇は無いのでここはパスする予定だったのですが、、ここまで来てしまったら寄らないわけにいかず。

中央図書館

横には調整池らしきものがあります。
バイクを停めて、中に入ってみます。
床は板貼り。児童書エリアだけ絨毯敷きです。

中央部のモニターを囲む、扇型のAV専用席があります。
この造りだと、周囲の人にも観られ放題。この時は観ている人はいませんでしたが。
扇状に並ぶ椅子は二重になっていて、内側の椅子の裏は新書の棚になっていました。

その奥にも視聴席があります。
CD、DVDは古めながら、なかなか豊富。
DVDは映画が多めです。

雑誌棚は空きが多く、50誌くらい。規模の割には少なめ。
漫画もありました。「ブラックジャック大全集」なる、あまり見たことのない大判漫画も。

一番奥にコンピュータ本がありました。
色んな分野の本があり、なかなか充実しています。

二階は、レファレンスルーム。
筑波書林「ふるさと文庫」はここにもありました。

牛久に長年住んでいたという、住井すゑの本が多数。このことは、県立図書館で学んでいました。

小川芋銭なる、あまり聞き慣れない人物の本も置かれています。
その奥に、小川芋銭コーナーなる小部屋がありました。
牛久沼のほとりに住んだ日本画家とのことで、
俳句も詠み、俳画、装丁画などで活躍したようです。
ガラスケース内に、彼の絵が描かれた古書が陳列されています。

牛久と言えば、最近では稀勢の里の出身地というイメージだったのですが、稀勢の里に関する本は見当たりませんでした。
カナダのホワイトホース市、オーストラリアのオレンジ市などと姉妹都市のようで、これらの国の写真集も置かれていました。
これらの町は、二階ロビーでも紹介されていました。

会談には巨大な壁画があり、ロビーには他にもアートが飾られています。

開館は1993年、蔵書数は約31万冊のようです。

アートな気分にはなってきたものの、美術館まで寄っている暇は無いな、と思いつつも折角なので様子を見に行ってみます。
屋外にもアートが展示されていました。

しかし美術館は工事中の模様。。と思ったら、工事中の建物の更に奥でした。

なんと入場無料とのことで、結局入ってしまいました。
著名な人の作品ではなく、売り出したい人の作品を展示しているよう。

館内

美術館ではなく、生涯学習センターで開かれていた美術展だったということは、帰宅後に気づきました。。

牛久大仏は、図書館から10kmほども離れていました。
そこかしこに案内が出ているので、迷うことなく行けます。
やがて、忽然とその後ろ姿が登場。遠方からでも、その大きさに圧倒されます。

エレベータで中を上がれるようですが、先を急ぐので、下から仰ぐだけにしておきました。

その次は大仏のほど近くにある、あみプレミアムアウトレットへ。
ここでも、ショップの並ぶ先に、大仏の姿が拝めました。

成田空港、茨城空港が近いので、上空をひっきり無しに飛行機が飛んでいます。

各館案内|牛久市立図書館