図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

日本福祉大学付属図書館美浜本館(愛知県 美浜町)

半田市内を見学した後は、車で知多半島を一周。
半田で酒や酢の工場を見ましたが、武豊には醤油工場が。
醸造業が盛んな土地であることが分かります。
車で1時間足らずで、南端の師崎港に到着。

車の通れない狭い道で肩を寄せ合うような、古い家並みが残っています。

日間賀島篠島への船も出ています。

最先端に突き出す羽豆岬にあるのは、羽豆神社

その横には展望台があり、全方位が見渡せます。

師崎を出て、西海岸を北へ。
鳥居の中を急坂の車道が貫く姿が気になって、冨具神社に立ち寄り。

駐車場からセントレアが見晴らせる、と書いているのですが、あまり展望はありません。
と思ったら、木々の間から見通せるポイントがありました。どうやらここのよう。

この日は月曜日。
全国的に図書館は休みの所が多いのですが、この辺りは特に顕著で、
調べた限り、知多半島内の公共図書館は全滅。
開いていそうなのは、大学図書館くらい。
美浜町日本福祉大学があり、ここは一般の人にも開放されているようなので、少々敷居が高いですが行ってみることにしました。

まず、外来者が停められる駐車場があるのかが不明。
駐車場自体は幾つかカーナビの地図に出ているので、とりあえず行ってみます。
しかし、どこも「学生専用、許可車以外禁止」などと掲示されています。

諦めそうになりましたが、名鉄知多奥田駅から入る道に正門があるようなので、そちらに行ってみます。

駅前には小さな有料駐車場がありましたが、まさかこれだけということは無かろう、と正門に進入。
守衛さんに聞くと、第7駐車場なら停めても良く、空いていれば第6でも可、とのこと。
もらった地図を頼りに行ってみると、いずれも一度は見た所でした。
第6は校舎に近いものの、混んでいて空いているのは軽自動車用ブースのみ。
結局、ガラ空きの第7に駐車。

車だと結構遠くなりますが、徒歩だとさほどでもありません。

キャンパス内を歩いているのは、当然若者ばかり。不審な目で見られている気がしないでもないですが、図々しく校舎に入っていきます。

入ったビルには生協がありました。書籍売場もありますが、品揃えは寂しめ。
昼食時間はとうに過ぎているので、地下の食堂は閉まっていました。
最上階には展望ラウンジがあり、キャンパス全体から海まで一望。

こちらが図書館。

学外者であることを告げると、利用証を作成することになりました。
有効期限は今年度中ですが、これで出入り自由、貸出もできるようです。

角野栄子さんが本学客員教授とのことで、紹介されていました。
福井県西葛西と何かとこのブログでは縁があります。

半田出身の浅賀ふさは、日本初の医療ソーシャルワーカー、元本学教員とのこと。
著作やアルバム、手稿が展示されていました。

企画展示は、「あの人が書いた本」、「平和について考える」。
あの人とは、作家ではない有名人。サッカー選手の守田英正、ニュースキャスターの大越健介などが取り上げられていました。

奥に進もうとすると、いきなり旅行ガイドブックのコーナー。数は少なめです。

一般雑誌が40誌ほど。
「ぐるりぶらり知多半島」なる観光情報誌も。
教員著作の棚もありました。

その裏には大学らしくキャリア本のコーナーが。
採用試験、国家試験などの本があります。

DVDは福祉の資料が多く、映画も少し。
豊橋市にあった「昭和ニッポン」がここにもありました。

古い本が多いですが、文芸書も豊富。
高山市で知った江馬修「山の民」が目に入りました。
TOEIC対策などの参考書や、教員採用試験の問題集の棚もあるのは大学らしさ。
その前にはCDの回転棚が2つ。クラシック、落語、朗読のみ。

教科書、児童書、絵本、紙芝居がやたら充実しており、洋書の児童書も大量に。
文庫、新書もあります。かなり草臥れた本も目立ちます。ラミネート加工していないからのよう。
まさに、何でも置いているという感じ。

第1電動書架室なる部屋の隅には、まんがもありました。
手塚治虫から「三国志」「光とともに…」など、図書館によくある物が目立ちます。
ほるぶ平和漫画シリーズなるものもありました。

電動書架の動かし方は書いてあるものの、よく分からず。
ボタンを押しても反応しない、と思ったら忘れた頃に動き始めたり。

棚の側面には分類番号の他、和書とわざわざ書いているからには、洋書も膨大。
全国の都道府県史、一部市町村史も揃っています。

帝国議会貴族院衆議院会議録なども揃っていました。
第1集密なる棚もあります。
閉じられていて良くわかりませんでしたが、専門の福祉関係の本でしょうか。
コンピュータの本はかなり少なめです。

金網越しに、「法音寺資料」「草鹿家文庫]など古文書が置かれた棚が見えました。
その、事務室の奥の秘密部屋は、「貴重書庫」だったようです。

他にも開架室なる車庫っぽい部屋があり、膨大な福祉の本が。
第二電動書架室はもありましたが、なぜか入口は通せんぼ、消灯されていました。

二階は学術雑誌。
医療、福祉、保育の雑誌がずらり。外国の雑誌も多数。
最新刊はもちろん、製本されたバックナンバーが。
第2資料室も、やはりひたすら雑誌のバックナンバーが並んでいます。
障害学生閲覧室なる部屋には、点字の辞書などがあるようです。

一階には「AVホール プレゼン練習ひろば」なる部屋もあるようで、最近の学生が羨ましくなりました。

利用証まで作ってもらったのに、10分やそこらで出てしまったら申し訳ないな、と思っていたのは杞憂、見応えがあり、気付けば1時間以上は滞在していました。
入口脇には、リサイクル図書コーナーまで。

ここ本館の他、分館が3つあり、合わせて蔵書数60万冊、雑誌約5,000タイトルを所蔵、とのこと。
慈昭館なる別称もある、現在の施設は1983年の開館。
一般図書館としても十分通用する、プラス大学の専門性も備えた充実の施設でした。

学んでいる学生たちの様子も、意外に自分の若い頃と変わらず、ちょっとホッとしました。

アクセス|日本福祉大学