図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

さいたま市立与野図書館(埼玉県)

武蔵浦和から別所沼を見て、更に北へ3km。
もう1館、図書館に寄ります。

夕闇が迫る中、到着。
この日は平日なので、8時まで開いています。(土日祝は6時まで)
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南には市民プール、向かいには体育館、その隣には中央区役所、即ち旧与野市役所。
この辺りが、旧与野市の官庁街だったのでしょう。

あまり覚えていなかったのですが、向かいに喫茶店がある光景を見て、
ここには一度来たことがあるな、というのを思い出しました。

公式サイトの情報によると、駐車場は無いとのことですが、横のプールには大きな駐車場があります。
図書館利用者は停めてはいけないのでしょうか。
この日はバイクだったので、どうにでもなりましたが。

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図書館前の様子

いざ、中へ。
ここもコロナ対策で、滞在は30分以内に、とのこと。
壁は武骨なコンクリートですが、床のタイル、本棚は木製で、温かみがあります。
全体的にゆったりとした造りで、本棚にも余裕があります。

しかし、先ほどの武蔵浦和図書館と違い、かなり古そう。
本も古めのものが目立ち、ボロボロの吉川英治全集は1966年刊行だったり。

CDは、少量ながらポピュラー系も置いていました。
DVDもありますが、文化資料的なものが多く、映画はほんの僅か。

近くの与野公園は、見事なバラ園があることで知られており、
カウンター前に「バラのまち」コーナーがありました。
薔薇に関する本が多数置かれています。

貸出カウンターの向かいに、案内カウンターがありました。
わざわざ別々に設けているのは、この規模の図書館では珍しいでしょう。
その横の階段を上っていくと、なんと、二階にも同じように案内カウンターがありました。

二階を回っていると、「奈良六大寺大観」「浮世絵大系」など、渋い大型美術本が並ぶコーナーがありました。
「The BEETLESアンソロジー」なる大型本を捲っていると、ジョン・レノンの手書きメッセージらしきものが。。!?
しかし平成以降の出版なので、どう考えても本物ではありません。
そう言えば昔、隣町のさいたま新都心ジョン・レノンミュージアムがあったことを、ふと思い出しました。
結局一度も行く機会がありませんでしたが。。

自然科学のコーナーには、大学の教科書のような本が目立ちます。
コンピュータの本は少なめ。

参考資料室の床は、ここだけ絨毯敷き。
しかし悲惨なまでに擦り切れていて、ボロボロでした。
近くのトイレを覗いてみると案の定、和式。

展示室には、江川吟舟、藤山一郎の年譜が掲げられていますが、
コロナ対策で入口を封鎖されており、遠巻きに眺めることしかできないので、読めません。。
後で調べると、国民栄誉賞歌手の藤山氏は、与野市民歌を歌った縁で、その遺品が飾られているそうです。
江川吟舟氏は、当地ゆかりの書家だそう。

お隣の学習室には、昔の学校のような木の机が並べられていますが、やはり封鎖。

三階には視聴覚ホール、おはなし室があるようですが、これもコロナ対策なのか、使われている気配は無し。
照明が消えていて真っ暗でした。

蔵書数は約14万冊。
先ほどの武蔵浦和より床面積はかなり広そうですが、蔵書数はあまり変わらないのが意外でした。
当地での開館は1981年とのことで、今年ちょうど40周年。
正直、それ以上の歳月を感じさせました。
しかし、与野の図書館のルーツは実に大正時代にまで遡るようで、歴史の重みを背負った貫禄ある図書館と言えます。

与野図書館 - さいたま市図書館

さいたま市立武蔵浦和図書館(埼玉県)

仕事も在宅メインになってしまい、ろくに外出しない日が続いていたので、
久しぶりに図書館巡りに出かけました。

バイクで向かったのは、さいたま市武蔵浦和図書館。
JR武蔵浦和駅の目の前、南区役所の入るビル「サウスピア」の中。

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正面がサウスピア

武蔵野線埼京線の乗換で、駅を利用した事はありますが、町に来たのは初めてかも。
埼京線の手前を、時おり新幹線が通過します。

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武蔵浦和駅の横を通り抜ける新幹線

ビルの脇が駐輪場になっており、大型バイクも駐輪可。
大型バイクは一回410円とお高いですが、施設を利用すると3時間無料、と有難いシステムです。

図書館入口は三階とのこと。
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一階から長めのエスカレータに乗ると、三階に直行でした。

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図書館入口

館内に入ると、意外に狭い。。と思ったら、二階も図書館だったようで、下への階段がありました。

まず目に入ったのは、CDの棚。
数は多くはなく、ジャンルはクラシックの他、朗読、民謡、落語など。
ポピュラー系は見当たりませんでした。

三階には他に、新聞・雑誌、文芸、文庫などが置かれています。

奥は二階への吹き抜けになっており、
下を見下ろす縁の部分には、ずらっと閲覧席が並んでいます。
しかしコロナ対策で、全て「関係者以外立入禁止」の黄色いテープが貼られていました。
この殺人事件の現場のような無粋さ、何とかならないでしょうか。。
滞在は30分を目安に、との掲示も随所に貼られています。

階段で二階に下りると、旅行書がお出迎え。
地球の歩き方」「るるぶ」「まっぷる」など、王道のシリーズものが中心です。

外国語資料の棚もありました。
ジョン・グリシャムスティーブン・キングシドニィ・シェルダンなど、
ベストセラー作家の本が多め。

さいたま市の図書館は、コンピュータの本が充実している所が多いのですが、
ここもそれなりに充実しています。
しかし、Windows7など、もはや役目を終えたと言うべき古めの本が目立ちます。

郷土資料のコーナーには、浦和、埼玉の本や行政資料が並んでいます。
その中に、「別所沼ゆかりのコーナー」というものがありました。
別所沼の最寄り駅はお隣の中浦和、ここからは徒歩15分とのことですが、図書館としてはここが最寄りなのでしょう。
画家須田剋太、詩人で建築家の立原道造などが愛した場所として、ゆかりの本が並んでいます。
しかし、立原氏の本は幾冊かありますが、どんな画家なのか気になった須田剋太の本は見当たらず。
検索端末で探すと、このコーナーにあるはずなのですが、目を皿にして探しても見つからず。。
どこか他の所にあるに違いない、と思い、職員の方に聞いてみたら、
先ほどまで見ていた棚から、あっさり見つけ出してくれました。
。。。あったのか。。。なぜ見つけられなかったのか不思議です。
図書館には結構親しんでいるつもりでも、やはりプロの目には敵いません。

この図書館、開館は平成25年。と言うことは8年前。
蔵書数は約13万冊。
さほど多いとは言えませんが、綺麗で立地も良く、
このご時世でなければ、もう少しゆっくり過ごしたくなる図書館でした。

サウスピアの南側は大きな空き地になっていますが、何やら建設中。
この街も、ますます発展していきそうです。

出発時には考えていませんでしたが、この流れだと別所沼にも行ってみなくては。
駅周辺のお店を少し覗いて回った後、バイクを出して向かいました。

住宅地の中を疾走し、5分ほどで到着。
ここには夜に一度来たことがあるのですが、日の出ている時間に来たのは初めて。
都会の中の何てことも無い公園、と思っていましたが、
水面が鏡面と化して木々を映す様は、なかなか見事。
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野鳥の観察地でもあるらしく、水面をすいすいと泳ぐ鳥が見られました。
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園内の案内板を見ていると、一角に「メキシコ公園」なるものがあるのを発見。
気になって行ってみると、
アステカ文明の遺跡のような石積みの先に、得体の知れない石像が立っていました。
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メキシコのメキシコ州が、埼玉県と姉妹提携している縁のようです。
河童のような像は、風の神とのこと。

湖畔には一本の河津桜が、数輪だけ花を咲かせていました。
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熱海で満開の河津桜を見たのは、1年と少し前。
今年も暖冬とは言え、やはり埼玉は熱海よりは寒いのでしょう。

武蔵浦和図書館 - さいたま市図書館

川口市立戸塚図書館(埼玉県)

新型コロナの緊急事態宣言の中ですが、所用で埼玉県東部へ。
今年最初の記事に、県内のほとんどの図書館は開館していると書きましたが、リサーチ不足でした。
特に県東の方は、休館している所が多く、ざっと調べたところ、
久喜市白岡市春日部市越谷市三郷市八潮市吉川市、宮代町、加須市伊奈町などの図書館が、
宣言明け予定の2月7日頃まで臨時休館中。
むしろ開いている方が少数派なくらいです。

なぜか県西の方は開いている所が多いのですが、
地元の富士見市も実は休館中。
坂戸市に至っては、3月末まで休館とのこと。これはちょっと勤労意欲を疑いますが。。

この日訪れたのは、このエリアでは貴重な開館派、川口市の図書館。
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戸塚安行駅東川口駅の間辺り、大きな道からは外れた住宅地の中にありました。
周辺の雰囲気にはあまりそぐわない、未来的なデザイン。まだ新しそう。
公民館と併設です。

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図書館前の道

駐車場に車を停め、いざ中へ。
ワンフロアですが、館内はかなり広めです。
比較的人も多めでした。
正面には、年末に亡くなった絵本作家、安野光雅氏の追悼コーナーが設けられていました。
その手前のゾーンは児童書コーナー。

カウンター前にはCD、DVDの棚。数はさほど多くはありません。
その裏は文庫本で、これは結構な数が揃っています。

コロナ対策で、新聞は当日、過去分とも閲覧停止になっていました。
雑誌の種類は百を超え、なかなかの充実ぶりですが、こちらも最新刊は撤去され、閲覧停止。
扉の中のバックナンバーのみが閲覧可能でした。

ソファ、閲覧席も全て利用禁止。

さほど大きくはありませんが、郷土資料の棚には埼玉、川口の本が置かれています。
埼玉コーナーは、次の大河ドラマを見据えてか、渋沢栄一の本が目立ちます。
また、川口市は、最近はすっかりそのイメージは薄れましたが、鋳物産業が盛んで、
映画のタイトルでもある「キューポラのある町」として知られた所。
タイトルに"キューポラ"の入った本が、多数置かれていました。
市政、遺跡発掘の報告書なども並んでいます。

蔵書数は、平成26年の情報で、約15万冊。視聴覚資料が5千点。
広い館内はゆったりとしており、本棚には空きスペースが結構あるので、まだまだ増える余地はありそうです。

前述の通り、周辺は落ち着いた住宅街。
窓から外を見ると、まさにお隣さん、と言いたくなるような近さに隣家が迫っています。
その先にある幼稚園は、ロケットや地球の模型が立っていたりして、図書館同様、異彩を放っていました。

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幼稚園と周辺の様子

この周辺は有名な植木の産地で、図書館には植物や園芸の本を集めた「みどりのコーナー」があったそうですが、
いずれも気が付きませんでした。不覚でした。

戸塚図書館|川口市立図書館

鶴ヶ島市立図書館大橋分室(埼玉県)

久々に訪ねた川越の西図書館から2㎞も離れていない所に、
鶴ヶ島市の図書館分室があるようなので、ついでにそちらにも立ち寄り。

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図書室のある、大橋市民センター

周囲の道は狭くて入り組んでおり、カーナビを頼りにしないと到達困難な場所でした。
市民センター、児童館の併設です。
南の方から来ると、途中までは結構住宅が建て込んでいたのですが、
この周辺は空き地(畑?)が目立ち、何とも殺風景。
関越道と圏央道の交わる鶴ヶ島JCTがほど近くのはずですが、その姿は見えません。

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センター前の風景

この立地なので、当然駐車場はあるはずですが、見当たらず。。
玄関を通り過ぎて50mほど進み、不安になってきた頃に、これまた殺風景な駐車場が見つかりました。

建物は立派ですが、図書館の方は、
分室という響きから想像される通り、小ぢんまりした一室でした。
室内には職員の方が一人いるだけで、閑散としています。
感染クラスターの発生など、およそありえない状況。

児童館併設なだけに、児童書、ヤングアダルトが多め。
床面積で言うと、7割はこれらで占められています。

一般書は主に壁沿いに追いやられていますが、
よく見ると「世界の詩」「新潮日本文学アルバム」、山川出版「県史シリーズ」など、
渋いシリーズ本が揃っています。

豊富な蔵書とは言えませんが、一通りのジャンルは網羅。
文庫本、漫画はまあまあ充実していると言える数が揃っていますが、
雑誌は、ミセス向けのものが数誌あるだけ。
視聴覚資料も無いようです。

あまり時間も無く、そもそも長居できる空気でも無いので、
10分足らずで退出しました。

約10年前の情報によると、蔵書数は一般書が約1.8万、児童書が1.6万。
開館は平成3年とのことなので、今年でちょうど30周年ということになります。

鶴ヶ島市には中央図書館の外に、このような分室が多数あります。
分室は週休3日制のようで、ここは月、水、金がお休み。
全室制覇するのは、ちょっとばかり困難を伴いそうです。

【鶴ヶ島市立図書館 公式ホームページ】|マップ・カレンダー

川越市立西図書館(埼玉県)

2021年が静かに明けました。
しかし新年早々、ここ埼玉含む一都三県を待っていたのは、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言でした。

昨春の緊急事態宣言の際は、全国の図書館がほとんど臨時休館となってしまい、2ヶ月ほども寂しい時を過ごしました。
調べてみると今回、埼玉県では狭山市、吉見町、嵐山町などで臨時休館にしているようですが、
一部で開館時間短縮、サービス内容の制限などの動きはあるものの、ほとんどの図書館は開館しています。

とは言え、このご時世では遠出する気にはなれず、
かと言って、宣言明けまで1ヶ月の図書館断ちをするのも耐えられず。。
仕事に行く途中に、近場の図書館に寄り道させてもらいました。
川越市の西の端、JR的場駅からは1㎞ほどの所にある、西図書館。
小学校、公民館と一体化した図書館です。
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川越市内の図書館ではお約束の、監視員の爺さんがいる駐車場に車を停め、中へ。
これまた最近のお約束のアルコール消毒液、カウンターを覆うビニールシートに迎えられます。

ここはだいたい年に一回くらい来る所だったのですが、昨年は一度も来ていませんでした。
久しぶりに来て、改めて見てみると、通路も広く、なかなか広々としています。

同市内の東口図書館高階図書館と同様、ここも視聴覚資料がなかなか豊富。
CDも多いですが、特に凄いのが、VHSのビデオテープ。
VHSは嵩張るので、専有面積が大きくなるというのもありますが、
棚を6列ほども占めており、5千本以上はありそう。
DVDも置かれていますが、こちらはVHSの陰に隠れ、ひっそり置かれています。

館内には、気持ちの良さそうなソファがいっぱいありますが、全てロープが張られ使用禁止。
今回の緊急事態宣言を受けての措置でしょう。
ビデオの視聴席が9席もあるのですが、これも全て使用禁止。

川越市立では、高階図書館以外はどこもそうですが、本は全体的に古めのものが多い印象。

文庫本はなかなかの数ですが、やはり古めのものが目立ちます。
今まで気付きませんでしたが(或いは以前は無かったのか)、その横には、紙芝居のコーナーが。
「大人にもおすすめ」とのことで、「金色夜叉」の紙芝居なども置いていました。

洋書のコーナーもありました。数百冊はありますが、言語は英語のみのようです。
その隣は郷土資料ですが、中央図書館で力を入れているせいか、ここでは控えめ。

東口図書館にあった、観光パンフレットを収めたチェストが、ここにもありました。
ただし大部分の引出しは空でした。

この図書館、開館は平成14年、ということは2002年。
蔵書数は約18万冊で、内視聴覚資料が1.1万とのことです。
蔵書数、歴史とも、市内では中央図書館に次ぐ存在です。

周囲は、ちょっとハイソな雰囲気の新興住宅街。

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図書館の前の様子

大通り沿いにはお店も多く、向かいにはパン屋さんがあるのですが、
その横にはいつの間にかスターバックスが出来ていました。
調べてみると2年前に開店していたみたいですが、記憶に無かったので、
この図書館に最後に来たのも2年以上前だったということのようです。

更に100mほど歩くと、御伊勢塚公園という広い公園があります。
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この日は公園散策には格好の小春日和でしたが、コロナの影響もあってか、人は少なめでした。

施設案内 – 川越市立図書館

北本市立中央図書館(埼玉県)

今年も、あと二日を残すのみとなりました。
大抵の図書館は12月28、29日辺りから1月3、4日辺りまで休館していますが、
探してみると、まだ開いている所もそこそこあるようです。

東京都では、杉並区は30日まで開館、千代田区千代田図書館は大晦日も開館。
埼玉県では、北本市が30日まで。夏に訪れた大宮図書館に至っては、大晦日も元日も開館!
他にも今年訪問した中では、蔦屋が運営する徳山駅前海老名は年中無休です。
遠方だと、富山市なども元日営業している模様。

そんなわけで、図書館納めに、手近な所で北本市に行くことにしました。

北本までは、家から車で1時間ほど。
まずは、北本自然観察公園に寄り道。
TBSのサンデーモーニングで、季節の動植物を紹介する際によく登場する所です。
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鳥の声はよく聞こえるものの、花や虫は見つけることができません。
ガイドの人でもいないと、どこに注目すればいいやら分かりませんでしたが、
寒風吹き荒ぶ中、意外にも多くの人が園内を散策していました。

そこから数kmで、図書館に到着。
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市役所のお隣、文化センターの中に入っています。
中には、この時は既に年末休みに入っていましたが、プラネタリウムもあるようです。
これもこの時は開いていませんでしたが、カフェも併設。
向かいには、独立したこども図書館があります。

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こども図書館

年末30日に開いているという外にも、北本の図書館に来てみたかった理由がもう一つありました。
それは、先日読んだ「図書館の楽しみかた」という本の中で、BGMに自然音を流している図書館、
アロマ発生器を入れている図書館、として紹介されていたこと。
どんなものなのか、確かめてみなくては。

図書館入口を入ると、真新しい、本の殺菌消毒機がありました。
様々な最新設備を導入し、年末年始も三日間しか休まないと来ては、
さぞかし力の入った大型図書館かと想像されましたが、館内はさほど広くはありません。

入ってすぐの右手には、学習コーナー。
参考図書、郷土資料の置かれた学習室です。
コロナ対策で半分は使用禁止になっていましたが、勉強や読書に勤しむ人で、
学習席の椅子はほとんど埋まっています。
郷土資料には、来年の大河ドラマの主人公でもある、埼玉の偉人、渋沢栄一の本が10冊ほど。
同じく県出身の俳人金子兜太の本も多数ありました。
また、北本はトマトの名産地。「トマトコーナー」には、トマトに関する本が20冊ほど並んでいました。
イメージキャラクターのとまちゃんも、館内随所に散見されます。

学習室以外も、利用者は多め。
やはり、年末年始も図書館需要は結構あるようです。
私もそうですが、今年はコロナ禍で帰省を諦めた人が多いようなので、例年以上に需要があるのかもしれませんが。

さて、調査対象項目のアロマと自然音ですが。。
アロマについては、嗅覚の鋭くない私には、全く分かりませんでした。
自然音についても、天井にあるスピーカーらしきものの下に立つと、地鳴りの様なさざ波の様な音が、
仄かに聞こえるような気もしましたが、ただのエアコンの換気音のような気もして、
こちらも良く分からず。。
現在はどちらも実施していないのかもしれません。

窓際に並ぶCDは、クラシックが中心。
ジャンルごとに見出し板が出ていますが、ロックは僅か数枚。
日本のポピュラー系も、美空ひばり布施明など、かなり古めのものが多く、最近の流行り物は皆無。
視聴席には、CDプレーヤーと共にレコードプレーヤーが置いていましたが、
レコードは見当たりませんでした。

向かいにこども図書館があるので、こちらは大人向けに特化しているのかと思っていたら、
こちらにも児童書コーナーがありました。
小学生向けの本と思われるものばかりなので、就学前はこども図書館、就学後は一般図書館、
という住み分けになっているのか、と納得。
。。と思ったら、カウンターの横に、小さいながら絵本コーナーもありました。
大人の用事のついでに軽く済ませたい人はここで、本格的に選びたい人は向こうへ、ということでしょうか。

館内には、コロナ対策で滞在時間は120分まで、という掲示と共に、置き引き注意、の掲示も目立ちます。
天井には監視カメラも付いており、どうやら被害は深刻な模様。

作家ごとに見出し板の出ている、文芸書の棚を眺めていると、
私の好きな横山秀夫先生の本が一冊も無いことに気付きました。
まさか置いていないはずはあるまい、と検索機で調べてみると、
最新刊は貸し出し中、それ以外の本は書庫に置かれているようで。。
もっと無名な人の本が開架の書棚に並んでいるのに、、ちょっと残念。

蔵書数は、開架が5万6千、閉架が5万、学習コーナーが2万5千、絵本コーナーが2千、
という情報がありました。
市立の中央図書館としては、ちょっと寂しめの数字でしょう。
古さは感じさせませんでしたが、開館は1984年のようで、
ソフト面のサービスが進んでいる割には、ハード面は限界に達しつつあるのかもしれません。

図書館からJRの北本駅へは、徒歩10分足らず。
駅前の賑わいはどんなものかと、見に行ってみることにしました。

外に出ると、2015年にノーベル賞を受賞した、大村智博士のレリーフがありました。
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先ほどの自然観察公園の傍にあった、北里大学メディカルセンターの設立に携わった縁のようです。

駅までの道は人通りも車通りも少なく、高崎線の駅にしては意外に寂しげ。
駅舎にはなぜか居酒屋ばかりが目立ち、他のお店はあまりありません。
しかし駅前広場の一角は、見事なイルミネーションで彩られています。今年最後のサプライズでした。

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奥が北本駅

さて、昨年の暮れに始めたこのブログも、開設から1年が経ちました。
書いた記事は126。その内、二度登場した館が2つ、入館できなかったけど記事にした館が3つで、
それらを差し引くと、計121の図書館(もどきも含め)を訪問したことになります。
新型コロナによる緊急事態宣言で、2ヶ月ほど空白期間が生じるという、予想外のハプニングがありながら、
我ながら良く行ったものです。
特に初期の頃書いたものを読み返すと、観察が甘かったり、写真が少なかったり、
珍しいと思って書いたことが実は珍しくもないことに後で気付いたり、
と不届きな点が多々あり、恥ずかしい限りですが、懲りずに来年も続けていこうかと。

中央図書館 | 北本市立図書館

前橋こども図書館(群馬県)

旅の最後にお土産調達。
アーツ前橋の向かい、と言うか空中で繋がるビルの中にあるスーパーでお買い物。
すると、同じビルの二階に、こども図書館があることが判りました。
こども図書館は対象外かな、とも思いましたが、
目と鼻の先にあるのなら覗いてみよう、と階段を上りました。
しかし、上の階はがらんとしており、図書館は見当たらず。
一階だと思っていたスーパーは実は地下扱いだったようで、二階はもう一つ上。
二階には、ちゃんとありました。
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中年男一人だと不審がられるかとも思いましたが、そんなことも無く、自然に入れてもらえました。
ここも、30分以内の入場制限中です。
なかなかの広さと品揃え。
絵本、紙芝居など、壮大な数が置かれています。

DVDも基本は子供向けですが、
シンドラーのリスト」「未知との遭遇」など普通の映画も少量ありました。
CDも童謡などがありますが、胎教向けなのか、クラシック、イージーリスニングなども多数。

真っ白な壁には、落書きともアートともつかない、カラフルな絵が描かれています。
イラストレーターとこどもたちが自由に描く、イベントの成果のようです。
どちらかと言うと、落書き、ということで良さそう。

こども図書館と言っても、中学生、ぎりぎり高校生くらいまではカバーしているようで、
ヤングアダルトのコーナーには「図書館戦争」「鹿の王」、又吉直樹の「火花」など、大人が読める小説も。

ザスパクサツのJ2昇格を祝し、漫画も含め、サッカーの本が集められたコーナーもありました。
中高生向けの易しい本ばかりですが、数百冊はあります。

子育て支援図書」なるエリアもあります。
子育てに関する本、子育て世代が興味を持ちそうな本、が中心ですが、
旅行ガイドなど、ごく普通の本も置いてあります。

小さいながら郷土資料の棚もあり、地元出身の児童文学者として、
宮川ひろ、木暮正夫といった方々の本がありました。

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「前橋プラザ元気21」の二階にあります

開館は2007年、蔵書数は約13万冊。
ワンフロアのこども図書館としては日本最大級、との情報もありました。
こども図書館と言えども、なかなか侮れません。
子連れでもないと、若干入り辛くはありますが。。

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夕暮れの馬場川通り

すっかり日も暮れ、後はもうバイクで帰るだけ。
寒空の下、埼玉県の自宅まで約2時間のランでした。

前橋こども図書館/前橋市