図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

蕨市立図書館本館(埼玉県)

川口の街を出て、帰路に就きました。
まだ夕暮れまでは時間があるので、どこか寄り道しようかと考えつつ適当に車を走らせていると、
沿道に蕨市立図書館が出現。

予定外でしたが、目の前に現れると寄っていかない訳にもいかず。。
車を停め、中に入ってみます。

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入口

ちょっと古さが滲む館内は、一昔前のオーソドックスな図書館、という感じ。
猛暑の中、涼みに来た人が多いのか、賑わっています。
ニ階まで吹き抜けになっており、開放的。

入ってすぐの所では、蕨を舞台にした女子サッカーの漫画「さよなら私のクラマー」が紹介されていました。
蕨市さいたま市川口市という大都市に挟まれた、日本一面積の小さな市。
なぜこの町に目を付けたのかは分かりませんが、
それにしても最近、漫画やアニメで町興しをしようとする所が増えています。

カウンターが正面で、右手は児童書のエリア。
カウンター前はCDコーナーで、品数はなかなか。
朗読もの、語学CDなども置いています。
その横には、ラノベの文庫本の回転棚が4つも並んでいます。
映像資料は無いな、と思ったら、児童書エリアの入口にありました。
ドキュメンタリー系が多く、映画は少なめ。

旅のコーナーが、大きな棚を1つ占めていました。
旅行書の他、鉄道関係の本もここにあります。
五木寛之の「百寺巡礼」シリーズも。

雑誌コーナーは、よくある縦置きのマガジンラックに加え、窓際のやや傾斜した平板の上にも陳列され、百誌超はありそう。
空調が無いわけでは無いですが、窓際で暑くなるためか、扇風機3台がフル稼働。
その内の1台が、今はなきサンヨー製の、4、50年は経っていそうな実に古い型でした。

岩波文庫東洋文庫の専門コーナーもありました。
古びた本が多く、見ると1960年代刊行の物も。
中公新書岩波新書の棚もあります。
ここに限らず、全体的に古い本が多いように見受けられました。
その傾向を反映してか、コンピュータの本は少なめ。

中央の階段を上がると、二階は参考図書室、学習室。
広い参考図書室には辞典、辞書類がずらり。
その横に繋がる郷土資料室も資料は豊富そうでしたが、電気も点いておらず、無人でした。

蕨市と言えば、成人式の発祥の地と聞いたことがあります。
それ関連のコーナーがどこかにあるかなと思いましたが、見当たりません。
検索機で調べようと思い、検索機を探すも、、それも見当たらない。
まさか検索機が無いことはあるまい、と館内くまなく探すと、
カウンターの児童書寄りの所に発見。
しかし子供が群がっていたので、やむなくスマホから公式サイトで調べたところ、
やはりそういった資料はあまり無さそうでした。
蔵書数は約17万冊とのこと。

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左にある銀色のオブジェ。よく見ると。。

外には館名を記した銀色の三角看板が立っていましたが、よく見ると下の方に「1979」の文字が。
開館は今から42年前、ということのようです。
もっと古い本が多くあったことから分かるように、別の場所から移転してきたようで、
初代は1965年開館の模様。
果たして、あの扇風機はいつから使われているのでしょうか。

この周辺はJR蕨駅西川口駅の間の、住宅街。
お隣は星乃珈琲店、その隣は石窯パン工房、更に先にはむさしの森珈琲、道を渡るとマクドナルド、と
喫茶スポットがやたらと集まっています。
(ここの石窯…は喫茶サービスはやっていないかも)

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図書館のある県道

せっかくなので、蕨の観光スポットを調べて行ってみます。
北西1kmほどの所にある、和楽備(わらび)神社へ。
なかなか立派な神社なので、さぞかし由緒があるかと思いきや、
明治の末期に出来たという比較的新しいものでした。
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御手水の代わりに、アルコール消毒液が。。
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伝統と実利のせめぎ合い。何とも形容し難い思いになります。

隣は市民会館ですが、その間に蕨城跡の碑が立っています。
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南北朝時代に建てられ、戦国の頃には廃されたということなので、ほぼ痕跡は残っていません。
しかし、とりたてて印象の無かったこの街も、歴史を知ることで少し身近に感じられるようになりました。

施設案内 図書館(本館)|蕨市公式ウェブサイト

川口市立中央図書館(埼玉県)

戸田市の小さな図書室を後にして、川口の中心地にやって来ました。
駅近くのショッピングモールで昼食後、川口市の中央図書館へ。

JR川口駅の真ん前という超一等地。
商業施設も入っているこのビルの、5~6階にあります。
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前の広場には、工夫の像が。
「働く歓び」像は、鋳物のまち川口を象徴する、鋳物職人だそうです。

その横には、キューポラの像が。
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キューポラとは、鋳物工場の煙突なのかと思っていたら、溶解炉だったようです。
なお、図書館が入るビルの名前も「キュポ・ラ」。
キューポラの立ち並ぶ光景はすっかり見られなくなりましたが、
そのアイデンティティはしっかり受け継がれているようです。

図書館は、商業施設の上にあるように見えますが、中では微妙に分離されており、
4階の本屋さんから直接上がることはできません。
公共施設エリアに移動してから、エスカレータで上へ。

上階のロビーの窓からは、駅と駅前の様子が一望できます。

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5階からの眺望

いざ、図書館内へ。
5階から7階まで一気に吹き抜けになっており、実に開放的。

奥に進んでいくと、本のタイトルが書かれたファイルが大量に棚に並んでいます。
何かと思えば、点字の本でした。
点字図書館でない一般の図書館で、ここまで点字資料が充実しているのは初めて見ました。

館内のエレベータで7階へ。
メディアセブン、と名の付いた施設になっています。
今一つどういう施設なのか分かりませんが、普段はワークショップなどが開かれている模様。
コロナ禍の今は、リモートワークなどを想定した貸しスペースを行っているようです。

階段で6階に下ります。ここは再び図書館。
CD、DVDが充実しています。
ビデオも置いてあると書いているのですが、見当たりませんでした。

川口には鋳物だけでなく、和竿という伝統工芸もあるそうで、
川口和竿の製作道具が展示されていました。

郷土資料のスペースは、かなり大きく取られています。
過去の市議会会議録、県議会会議録がずらり。よく見ると衆議院参議院の会議録まで。
「鋳物技術講習会テキスト」なる、川口らしい希少な資料も。1960〜70年代のもののようです。
文学の所には、埼玉ゆかりの作家、薬丸岳森村誠一折原一などの著作に、
県が舞台の「のぼうの城」「サイタマノラッパー」、渋沢栄一を扱った小説も多数置かれています。

洋書の充実ぶりも目を見張りました。
英語は勿論、中国語、韓国語もかなりの数。
ここまではそれほど珍しくありませんが、
ポルトガル語タガログ語の本が数百冊あるのは、かなり特徴的。
川口にブラジル人やフィリピン人が特別多いという話は、聞いたことがありませんが。。
ただし、それ以外の言語は極少ししかありませんでした。

語学についての本も、なかなか豊富です。
異文化共生に力を入れているのでしょうか。

コンピュータの本もかなりの数。
マニュアル本が多いものの、専門的な本もちらほら含まれています。
iPhoneAndroidについての本は、電気通信のコーナーにありました。

交通のコーナーを見ると、MaaS(Mobility as a Service)と名の付く本が5、6冊もあり、
技術トレンドにも敏感な様子が窺えます。

雑誌は何箇所かに分かれて置かれており、全て合わせれば数百誌になりそう。

駅前の商業施設の上という立地に、綺麗な内装と充実した蔵書、
浦和にあるさいたま市の中央図書館によく似ています。
開館は2006年とのことで、こちらの方が1年先。
蔵書数は3年前の情報で、約52万冊。視聴覚資料は2.3万点。
これらの数字もまた、浦和のそれを上回ります。
これは凄い!あそこの上を行くとは!市立図書館としては、県内一ではないかと。

駅とショッピングモールを結ぶ道には、「SL青葉通り」なる名前が付いているようです。
よく見ると、SLの車輪やフロント部分を模したオブジェが沿道に並んでいます。
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調べたところ、この道はビール工場への専用線の跡で、嘗てはSLも走っていたそうな。
映画「キューポラのある町」の風景と同様、今では想像することも困難ですが。

中央図書館|川口市立図書館

戸田市立図書館下戸田南分室(埼玉県)

開催の危ぶまれた東京オリンピックも何とか始まり、四連休。
最初の二日は大人しくしていましたが、ステイホームにも飽きてきたので、
この日は車で川口に出掛けることにしました。

まずは川口市の隣、戸田市に入ります。
ここはオリンピックのボート競技の会場だったはず、、と思って漕艇場の辺りに来てみました。
特に交通規制も無く、戸田公園の駐車場に車を停めても、オリンピックが迫った緊張は感じられません。
大学生と思しき人たちがのんびり練習をしているのは、いつもの光景。
今更ながらスマホで調べると、、
戸田が会場だったのは1964年大会の話で、今回は会場にはなっていませんでした。
とんだ勘違い。。
しかし、明日からオーストラリア代表が直前練習を行うという看板が出ており、
少しはオリンピックの雰囲気を味わえました。
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ちなみに漕艇場の向かいは荒川。

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荒川

川の向こうは東京都ですが、再びの緊急事態宣言発令にオリンピック渋滞という二重苦の今、
東京都には当分入らないつもり。

続いて、漕艇場の近くの図書館に行ってみます。
カーナビを頼りに来てみると、そこには障害者福祉センターがありました。
図書館の案内はありませんが、ここだろうと当たりを付け、車を停めます。
入口にも図書館の表示は見当たりませんが、本の返却ポストがあるので、やはりここのようです。

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障害者福祉センターの入口

中に入るとようやく、三階に図書館との案内が。
階段で上って奥に進むと、ありました。
戸田市の図書室は、昨年行った美笹分室以来。
あそこは随分小さな所でしたが、ここも負けずに小ぢんまりとしています。

入ってすぐ、コンピュータの本の棚がありました。
技術評論社の、「今すぐ使えるかんたんシリーズ」が棚一つをほぼ占拠。
これはなかなか壮観ですが、逆にこれ以外の本はほぼ無しで、ちょっと残念な品揃え。

雑誌は30誌ほどと、規模の割には多いと言えるでしょうか。
文庫本は2列だけでした。
旅行書も寂しめで、「地球の歩き方」は20冊ほど。

この手の小さな図書室は、児童書の比率が高めというイメージがありますが、
ここは窓の下に児童書が並んでいるだけで、一般書の方が多めです。

スポーツの本はそこそこ充実しており、ジャンル別の仕切りが設けられるほど。
「サッカー」「テニス」「野球」などの人気種目は勿論、「ゲートボール」や「すもう」「つり」まで。
しかし、肝心の「ボート」は見当たりません。戸田と言えばボートだと思うのですが。。

漫画も、目立たないながらも置いていました。
「領袖 ドン」「どんぐりの家」「旅人くん」など、少々マニアックなものばかりで、個性的。
誰かの寄贈でしょうか。

それにしても、窓側の棚の本は、色褪せが激しい。。
ついには読めなくなったのか、タイトルを背表紙の上から貼り直している本も目立ちます。

この図書室、開設は1986年、蔵書数は約1万7千冊とのこと。
近所の下戸田分室が児童書中心なので、やはりこちらは一般書中心というコンセプトの様です。

三階にあるので、眺望も少々利きます。
特にどうということも無い景色ですが、東京都が目と鼻の先ということで、周辺の人口密度の高さは窺えます。

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三階の廊下から

下戸田南分室

立川市幸図書館(東京都)

玉川上水沿いを歩いてくると、小平市から立川市に入りました。
もうすぐ玉川上水駅というところで、川面まで下りられる所がありました。
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その向かいは滝のようになっており、ここから処理された再生水が流れているとのこと。
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近くに清流復活碑もあります。今の清流が平成になってからのものとは知りませんでした。

ここで川沿いの遊歩道とお別れし、川越道緑地古民家園へ。
途中、沿道には、ひたすら農地が広がっています。
多摩地方有数の大都会のイメージの立川市に、こんな所があるとは知りませんでした。

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東京都とは思えない光景が広がります

やがて、古民家園に到着。
園と言うからには何軒か建っているのかと思っていましたが、古民家は一軒だけ。
それでも、藁葺きの堂々たる家屋に、その前に広がる玉石の庭は、立派なものでした。
(厳密には、住宅と蔵は別の家だった模様)
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体力が許せば、立川駅まで歩くことも考えていましたが、
暑い中、新小平から5km超の道のりを歩いてきて、もうクタクタ。
最寄りのモノレールの駅に向かうことにしました。

その駅のすぐ近くに、図書館があります。
上にモノレールの走る大通り、芋窪街道沿い。
体育館と併設です。
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手前に現れた入口から中に入ると、スリッパに履き替え。
都会の図書館では珍しいなと思って上がりましたが、一階にも二階にも図書館入口は見当たらず。。
ここは体育館、学習室などがあるだけで、図書館は隣でした。

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こちらが図書館

改めて、図書館入口の自動ドアをくぐると、、これは狭い。。!
目の前に、いきなり文庫本の詰まった回転棚が迫ります。
その先にも間を置かずに文庫本の棚が迫り、足を止める余地がありません。
都会の駅前商店街にある本屋のよう。

その向こうがカウンター。
その前のスチール棚に行政資料、郷土資料が詰め込まれています。

左には歴史書、旅行書、子育て支援コーナーなど、狭い本棚を奪い合うように色んな分野の本が並んでいます。

奥に行くと文芸書、更に先が児童書。
雑誌コーナーの下には漫画が少し。
狭い閲覧席もあり、この辺まで来ると、多少ゆったり感があります。

蔵書数は約2.4万冊。視聴覚資料はありません。
駅近の大通り沿いなので、人の出入りもなかなか激しく、
良く言えば活気ある、悪く言えば少々落ち着かない図書館でした。
wikipediaによると、開設は1978年。さほど古くは見えませんでしたが、意外に長い歴史を持っていました。

図書館のすぐ先の砂川七番駅から、多摩モノレールに乗車。

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砂川七番駅のホームから

高所からの車窓の眺めは、なかなか。それにしてもゆっくり走る電車でした。

幸図書館のご案内 - 立川市図書館

小平市立津田図書館(東京都)

梅雨が明け、急激に暑さが増す中ですが、訳あって玉川上水へ散歩に出掛けました。
スタートは、JR武蔵野線新小平駅

半地下の新小平駅

ここから玉川上水へは、南へ約1km。
学園西町なる商店街に入ってきました。
周辺に一橋大学津田塾大学などがあることがその名の由来と思われますが、
日曜日で学生がいないためか、人通りはまばら。

学園西町

玉川上水まであと少し、通りをちょっと外れた所に、図書館があることを調査済み。
古い団地の中、象さん(なのか?)の遊具のある公園がありました。ここも人気はありません。

象さん?

スマホの地図に拠れば、向かいの高層住宅の所に図書館があるはずですが、、

図書館南側

入口を探して周囲を歩いて行くと、結局ほぼ360度回って元の所に戻ってしまいました。
象さんの前が入口でした。

図書館正面

いざ、中へ。
かなり年季の入った建物に見えましたが、館内は意外に綺麗。
木製の本棚は真新しく見えます。

入って正面は児童書。左に曲がって奥に進むと、やがて一般書のエリアに。
床面積の四割ほどは児童書です。

進んでいくと、
拍子木を並べたようなデザインの床はベコベコと音を立て、
カウンター内に下がる掲示物も古そう。
やはり、かなり歴史はありそうです。

視聴覚資料は、カセット、CDのみ。
民謡、古い歌謡曲、落語ばかりでポピュラー音楽は見当たらず。棚の上部に、
「60歳以上の方、身体に障害のある方 視聴覚資料3点、カセット5点まで貸し出しできます」との掲示が。
これに該当しない人は借りられないのでしょうか。。こんな制限があるのは初めて見ました。
まあ、品揃えを見るに、若い人が借りたがるとも思えませんが。

窓際の雑誌の閲覧コーナーは、絨毯敷きでした。
コロナ対策で間引かれたためか、椅子は3つだけ。
ここも床はベコベコでした。板張りの上に薄い絨毯を敷いただけのようです。

郷土資料は、行政資料に紛れて少々あるのみ。
ここの津田という地名は、津田梅子が開いた津田塾大学があることが由来。
次の五千円札の肖像にも決まり、さぞかし盛り上がっているかと思いきや、、
津田梅子の特集コーナーはどこにも見当たりません。

参考図書は、貼られたシールの色によって、一夜貸し、2週間貸出OKのものに分かれているようです。
一夜貸しとは、閉館30分前から翌日の開館30分後までの貸出とのこと。こんな制度は初めて聞きました。
なかなか独創的なルールの多い図書館。

コンピュータの本は今ひとつですが、
旅行書はそこそこ充実していました。

文庫本は豊富ですが、
伴野朗、富島健夫、陳舜臣など、他館ではあまり見かけない、一昔前の作家が幅を利かせていました。

蔵書数は、4年前の情報で約11万冊。
開館は1987年とのこと。正直、もっと経っているかと思わせる貫禄がありました。

図書館から玉川上水の緑地は、200mほどの距離。

緑溢れる川沿いの遊歩道を西に進むと、ふれあい下水道館の案内を発見。

ふれあい下水道館

日本で唯一、下水管の中が見学できる施設とのこと。
あまり見たいと思ったことは無いですが、日本で唯一と言われると見過ごせません。入場も無料。
展示を見ながら地下五階まで階段を下りていくと、いよいよ。。!と思ったら、

コロナのため、下水道見学は中止、カメラによるリアルタイム映像が流れるのみでした。
残念。またいつか再訪しなくては。
二階には「水の図書室」がありましたが、水に関する本を集めた本棚が置いてあるだけで、
図書館として紹介するほどのものではありませんでした。

再び玉川上水へ。西に向かいます。

きつねっぱら公園

津田図書館 | 小平市立図書館

あきる野市東部図書館エル(東京都)

日も暮れかかって来ましたが、この日はもう一つ行っておきたい所がありました。
それは、あきる野市の東部図書館。ここは一度見てみたい所でした。
というのは、小諸市潮来市の図書館と同じく、
図書館建築賞を受賞している所だから。

八王子市高月城跡からは1kmほどの近さ。
近くまで来ると「東部図書館エル」の案内標識が出ていたので、それに従って脇道に入ると、
水路のある閑静な住宅街が現れました。
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これは美しい。まるで外国のような光景です。

もう一度案内標識(この標識のデザインもお洒落)に従って曲がると、現れました。
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これまた美しいですが、想像よりは小さな図書館。
JR五日市線の線路がすぐ近くです。
館内にいても踏切の音が聞こえるほどでした。

いざ、館内へ。
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一階の室内に入ってみると、白基調の内装に、木目を生かした棚、机はどれもお洒落。
中央は吹き抜けになっており、開放的。
大きな窓の外は、緑に溢れています。実際には、隣の児童公園との間の植え込みに過ぎないのですが。

CDの棚は、壁一面に張り付いています。
ラインナップは少々古めでしょうか。
音楽視聴用の机も、実に洒落たデザイン。
映像資料は無いようです。

奥には地域資料のコーナーがありました。
多摩、武蔵野の本、資料が並んでいますが、
地域に関係ない世界美術大全集なども置かれています。
その中に、南洋一郎コーナーもありました。
私も子供の頃よく読んだ、「怪盗ルパン」シリーズの作者。この辺りの出身だそうです。
ルパンはもちろん、ルブランの原作ですが、南氏を翻訳者ではなく、作者と扱っています。
子供向けに大幅にリライトしてあるためでしょう。

本の数はあまり多いとは言えませんが、
コンピュータの本はまあまあでした。
「角川インターネット講座」シリーズが揃っていました。

二階は児童書室になっています。
布の絵本も置いていました。

開館は2005年、建築賞を受賞したのは2009年度とのこと。
カフェでも併設されているかと期待していましたが、図書館以外の施設は何も無し。
周囲も住宅地で、お店は見当たりません。
平成30年の統計によると、蔵書数は約10万5千、CDは約3千枚。やはりちょっと寂しめでしょうか。
閉館の6時となったので、立ち去りました。

車一台がぎりぎり通れる狭い踏切を渡ると、左手に大きな神社が見えました。
行ってみると、名前は二宮神社
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武蔵国二宮とのことで、これはかなりの社格でしょう。
階段の上からは街が一望。
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道路を挟んだ向かいの池も、神社の境内。錦鯉が泳いでいました。
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神社から徒歩数分の所に、JR東秋留駅があるはずなので、行ってみました。
やがて駅前広場が見えましたが、駅舎が見当たりません。と思ったら、踏切を渡った先に入口がありました。
しかも、反対側にも踏切があり、駅舎は上り線と下り線に挟まれています。
要するに、どちらから来ても、踏切を渡らないと駅に入れません。
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これは珍しい!結構駅好きの私ですが、こんな構造の駅は初めて見ました。

その後はショッピングモールを覗いて、夕食を摂ろうと思ったら、
ラストオーダーの7時半を過ぎており、どこの店にも入れず。。
緊急事態宣言が明けて、規制も緩和されたものと思い、油断していました。
埼玉県に戻れば大丈夫だろうと、バイクで家路に就きます。
しかし埼玉に入ると、こちらも8時半にはラストオーダーで、どこも閉まっています。。
結局、家に帰ってから遅い夕食を摂る羽目になりました。
多少規制が緩んだとは言え、まだまだ緊迫感を持って生活しなくてはいけない、ということを最後に思い知らされた旅でした。

施設案内 | あきる野市図書館

八王子市立川口図書館(東京都)

小曾木の次はどこへ行くか、あまり決めていなかったので、地図を眺めて考えます。
目に止まった滝山城跡が気になり、目的地に定めました。

青梅、五日市を通って八王子市に。
山間の田舎道が続いていましたが、次第に民家や商店が増え、街中の様相になってきました。
昼食後、図書館を訪問。
青梅市の小さな図書館のイメージがあったので、ここもそんな所を想像していましたが、予想外に立派な施設。
川口やまゆり館、との名が付いた市民センターになっています。

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木の向こうが図書館

その中の図書館に入ります。
照明が薄暗いです。曇り空だからでしょうか。

正面に、先日亡くなった氏を称える「追悼 立花隆」のコーナーが設けられていました。

入って左手には、CD、DVDのコーナー。
映画は少なめですが、「名探偵ポワロ」「刑事コロンボ」「男はつらいよ」が目立ちます。

その横には、八王子コーナー。八王子に関する本が置かれています。
カウンターを挟んでその先には、テーマコーナーとして「東京オリンピックパラリンピック」の特集。
大河ドラマ「いだてん」で取り上げられた、金栗四三田畑政治の子供向け伝記本などが置かれていました。
その裏は、「読書のまち八王子」と大きく掲げられた、郷土資料、参考図書のコーナーになっています。

蔵書はなかなか豊富。
約15万4千とのことです。

私の好きな、屋外席もありました。
図書園なる名前が付いています。
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開館は1997年と、まだ綺麗な図書館でした。
高台の端に建っており、正面の道からは高尾山辺りの山並みが見通せます。

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南西方向の眺め

図書館に「滝山三城」の観光パンフレットが置かれていたので、もらっておきました。
まずは、メインの滝山城跡へ。
近くかと思っていたら、3㎞以上は離れていました。

バイクを停める場所が見つからず、行ったり来たりしてしまいましたが、
パンフレットを見ると、通り過ぎた所に観光駐車場があることが判明。
バイクを停め、入口を上っていくと、いきなり深い竹林に。
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建物は全く残っていませんが、壮大な遺構は残っています。
10分ほどで、本丸、中の丸などがあった頂上に到着。

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本丸の跡

北側は、多摩川を見渡す眺望が拝めました。
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観光客なのか散歩する地元民なのか分かりませんが、多くの人がいました。

続いて、通り道にある高月城跡へ。滝山城からは1㎞ほどしか離れていません。
途中の田園地帯は、「高月町の田園風景」としてパンフレットに載っています。
東京都では有数の広大な農地のようですが、全国的には特に珍しくもないかと。
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お城は、案内看板が出ておらず、場所が分かりにくいです。
HOTEL高月城」の標識は出ており、これに従って行けば良いようです。
そのホテルは既に閉鎖されているようですが、その向かいにひっそりと入口が。駐車場はありません。
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この登山道だけが公有地のようで、それ以外は私有地。
私有地には入らないように、という注意書きがしつこく置かれており、ちょっと息が詰まります。
徒歩数分で上まで到達。

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高月城の本丸跡

しかし、大きな原っぱがあるだけで眺望も利かず。
よほどの城マニア以外は訪ねる必要もないかな、というのが正直なところでした。

残りの1つ、根小屋城跡も訪れる人が少なそうな所です。
ちょっと離れているので、今回は断念。

市内図書館のご案内(川口図書館)|八王子市図書館